個体群とは?
個体群とはある空間で生活する同じ種類の生物集団のことである。下画像はムラサキガイの個体群である。
個体群密度とは?
一定の空間で生活する個体数を、個体群密度と言う。個体群の個体数を生活空間の大きさ(面積or体積)で割ると求めることができる。例えば、上のムラサキガイの個体群が3平方メートルに300個体いた場合、個体群密度は100個体/1平方メートルとなる。
個体群密度を求めるには、区画法と標識再捕法がある。
区画法
区画法は、一定の広さの区画をいくつか設け、区画中の平均個体数を数える。そして、区画が地域全体の何%かを求め、全個体数を推定する。
標識再捕法
標識再捕法では、捕獲した個体に標識を付けて話、いってい時間後に再び捕獲する。次の比例式に当てはめて全体の個体数を推定する。
全個体数:最初の標識の個体数=2度めに捕獲された総個体数:2度めに捕獲された標識のある個体数
個体の分布様式とは?
個体群の中の個体の分布様式は集中分布、一様分布、ランダム分布の3つに分けられる。
集中分布では生息域の特定の場に集って分布している。巣ごとに集団生活している蟻などの動物が例として挙げられる。
一様分布では生息域全体に均一に分布している。フジツボなどが例として挙げられる。
ランダム分布では、不規則に分布している。たんぽぽなどが例として挙げられる。
メタ個体群とは?
ある地域に分布する同種個体群の間で、お互いに個体の行き来がある場合、それらの個体群をまとめてメタ個体群と呼ぶ。各個体群では、個体数の増減がある場合でも、メタ個体群としては一定の個体数を保っている場合が多い。
http://nrifs.fra.affrc.go.jp/
環境と個体群の変容とは?
安定した環境では、子どもが死ぬ確率が低いため、大卵少産型が多い。個体数は環境収容力に近い値となる。一方、不安定な環境では小卵多産型が多く、個体数は大きく変動する。小卵多産型の個体数は環境収容力には達しない。
アクアリウムの世界では、よく、「大卵型だから水槽で殖える」とか、「小卵型だから水槽で増やすのは難しい」とか言います。前者はビーシュリンプやミナミヌマエビ、後者はヤマトヌマエビが有名です。
http://mizugiwa.sakura.ne.jp/
下画像がミナミヌマエビ(上段)、ヤマトヌマエビ(下段)である。