絶滅の渦
絶滅は次の過程が繰り返されることによって起こる。これを絶滅の渦という。
- 生息地の面積の縮小
- 遺伝子の多様性の低下
- 近交弱勢
- 人口学的な確率性
- アリー効果の低下
1.生息地の面積の縮小
様々な原因による生息地の縮小によって、個体群の大きさも縮小することになる。
2.遺伝子の多様性の低下
個体群が小さくなると、遺伝子の多様性も減少する。遺伝子の多様性が低くなると、新たな病気などが発生した時に適応できなくなる。これによって個体数がさらに低下する。下画像は遺伝子の違いにより模様が異なるダンダラテントウである。多様性が多いほど生物種的には良い状態である。
3.近交弱勢
個体群が小さくなると、近親交配が多くなる。劣勢ホモの遺伝病などが発現しやすくなる。
【4月16日 AFP】(一部訂正)帝国の絶頂期にあったスペインに君臨したハプスブルク(Habsburg)王朝は、近親婚による遺伝性疾患が原因で断絶した可能性があるという研究結果が15日、米オンライン科学誌「PLoS ONE」に発表された。
4.人口学的な確率性
小さな個体群では、死亡確率が増加する、産子数の変化、雄が突然産まれやすくなるなどの偶然による影響を大きく受けてしまう。
5.アリー効果の減少
アリー効果とは個体群密度が高くなると、個体群の成長が促進されることである。餌を同種で協力して確保できたり、交配相手が見つかりやすいということが原因となる。個体群が小さくなると、アリー効果も小さくなる。
外来生物の侵入
外来生物が在来種の絶滅を引き起こす場合がある。そのため、外来生物法によって海外から生物を持ち込むことは禁止されている。
生物多様性保全
絶滅している生物の中には、人間にとって有益な生物種も存在するかもしれない。特に細菌、微生物は医薬品などに使える物質を産生するものも多くいる可能性があるのだ。また、人間は生態系から様々な恩恵を受けており、これを生態系サービスという。これを受け続けるためにも、生物多様性は保護されなければならない。
生態系サービスは、次の5つの種類に分割することができる。
- (供給)食品や水といったものの生産・提供
- (調整)気候などの制御・調節
- (文化)レクリエーションなど精神的・文化的利益
- (基盤)栄養循環や光合成による酸素の供給
- (保全)多様性を維持し、不慮の出来事から環境を保全すること。
このページの何カ所かに「人工学的な確立性」、「人光学的な確率性」とい語がでてきますが、
「人口学的な確率性」ではないでしょうか。
コメントいただきありがとうございました。
ご指摘の通り、誤字でした。心より感謝申し上げます。