中枢神経系
中枢神経系は脳と脊髄からなる。脳は大脳、間脳、中脳、小脳、延髄、橋からなる。間脳、中脳、延髄、橋は脳幹と呼ばれており、生命維持に関わる重要な役割を担っている。
大脳
大脳は、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉に分類できる。前頭葉では随意運動や思考を制御している。意識の最高中枢であり、「私」はまさに前頭葉にある。側頭葉は聴覚、嗅覚、情緒、感情、記憶を司る。頭頂葉は痛み、温度、圧力、空間認識を司る。後頭葉は視覚を司る。
皮質と髄質
大脳は表面に大脳皮質と呼ばれる構造があり、内部は大脳髄質と呼ばれている。皮質には細胞体が存在しており、髄質には軸索などの神経繊維しかない。
皮質
大脳の表面は新皮質からなっており、内側は古皮質や原皮質を含む辺縁皮質からなっている。新皮質は進化的に新しい皮質であり、理性などを司る。新皮質は6層の構造からなる。一方、古皮質・原皮質は情動などを司る。進化的に最も古い脳であり、魚でも辺縁皮質は見られる。
ヒトに近づくほど新皮質の割合が大きくなる。
辺縁皮質
アイオワ大学の臨床神経心理学者Justin Feinstein氏らは、Urbach–Wiethe disease(ウルバッハ・ヴィーデ類脂質蛋白症)という非常に珍しい遺伝病の病状として局所性両側扁桃体損傷(focal bilateral amygdalalesions)があらわれ、扁桃体が機能しない44歳の女性S.M.さんに、ヘビやクモを見る・ホラー映画を見る・お化け屋敷を訪れる・過去のトラウマ的体験について回想するなど、通常の人であれば恐怖を感じるようなさまざまな状況を体験してもらい、その反応を記録しました。
また、「死への恐怖」「公衆の前で話すことへの恐怖」などさまざまな恐怖について測定する各種の標準化された質問事項にも答えてもらったほか、3カ月間にわたり日中ランダムに「現在の恐怖レベル」を聞いてくるデバイスを携帯して「感情日記」をつけてもらいました。論文はCurrent Biology誌に掲載されています。
実験を通じてS.M.さんは「恐怖」を感じる様子をまったく見せず、事前に「クモやヘビは嫌いでいつも避けるようにしている」と語っていたにもかかわらずペットショップを訪れるとすぐにヘビやクモを触りはじめ、研究者らを驚かせたそうです。なぜ嫌いな生き物を触ったのかと聞かれると、「好奇心に勝てなかった」と答えたとのこと。3児の母であるS.M.さんは、自宅近くで大きなヘビを見かけると怖がることなく近づいていって持ち上げる様子を子どもたちに目撃されてもいます。
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ロボトミー(精神外科)
20世紀には精神疾患の治療方法として前頭葉を切断するロボトミーが多数行われた。一時は画期的な治療方法と思われたが、ロボトミー手術を受けた患者は精神疾患の症状は改善するものの感情が無くなる、無気力になるなどの新たな症状が現れた。日本ではロボトミーは1975年に廃止されている。
また、てんかん患者には脳梁を切断する精神外科手術が行われていた。脳梁とは右脳と左脳をつなぐ神経である。切断によっててんかん症状は抑えられたが、奇妙な現象が確認された。左目(右脳)に野球ボールを見せて、「何が見えたか」と言葉で質問すると、言語を司る左脳は「何も見えない」と答えるといったようなものだ(※視神経は途中で交差し、右目は左脳、左目は右脳につながっている)。右脳と左脳の機能が繋がっていないことが原因となっている。脳分割問題として面白くまとめられている。
間脳
間脳は視床と視床下部に分類できる。視床は大脳へ信号を伝える役割を持ち、視床下部は自律神経系の中枢である。また、様々な放出ホルモンを分泌し、恒常性維持の役割を担っている。
中脳
眼球運動・瞳孔調節の中枢。姿勢維持の役割も担う。
小脳
体の平衡感覚を司る中枢。鳥などの複雑な運動(飛行)を行う動物は小脳が発達している。
延髄
心臓の運動調節の中枢。消化腺、涙腺の反射中枢。
橋
大脳の情報を小脳へ伝える。
脊髄
精髄の外側は白く白質と呼ばれており、内側は灰色のため灰白質と呼ばれている。脊髄からは背根と腹根が伸びており、背根には感覚神経などの求心神経が通り、腹根には運動神経や交感神経などの遠心神経が通っている。
白質が皮質、灰白質が髄質、、?
コメントありがとうございます。
タイプミスでした;w;ご指摘ありがとうございます。「灰白質」に直しました。
また何かありまたしたら、コメントいただけると嬉しいです。