太陽とは
太陽は地球の109倍の半径を持つ恒星である。
可視光線で見た太陽を光球と呼ぶ。光球では、中心部ほど明るく、周辺部ほど暗く見える。これを周辺減光と呼ぶ。これは中心部分に比べ周辺部は大気の密度が減少するのと、温度が減少するためにおこる現象である。
彩層とコロナ
皆既日食の際に見られるピンク色の薄い層を彩層と呼ぶ。これは太陽表面(数千~1万km)の薄いガスの層である。また、彩層よりもさらに広がって見える白い層はコロナと呼ばれ、外側の大気の層である。コロナの形状は太陽の活動周期によって変化する。
太陽風とオーロラ
コロナからは帯電微粒子(電子や陽子)が放出されており、これを太陽風と呼ぶ。この帯電粒子は地球にまで届き、地球の磁気によって捕らえられ、高度3500kmと、13000-20000km付近に集められて強いドーナツ状の放射線領域を作る。この領域はバンアレン帯と呼ばれる。
この帯電粒子は加速されて南極・北極付近の大気中の分子などに衝突する。この衝突によって高エネルギー状態となり、不安定になる。この粒子が安定な状態に戻る際に放出される光エネルギーがオーロラである。
プロミネンスとダークフィラメント
彩層からコロナにかけてあがる炎のようなものを観察することがある。これをプロミネンスと呼び、その正体は気体である。
このプロミネンスが影になって太陽表面に黒いすじが見えることがあり、これをダークフィラメントと呼ぶ。
黒点
黒点は周囲よりも温度が低い領域であり、太陽表面の中緯度から赤道面に多く見られる。黒点には強い磁場が観測されており、太陽内のガス(プラズマ)の対流移動が妨げられ、低温域が生まれると考えられている。ちなみに太陽の黒点はガリレオ・ガリレイが初めに発見した。
フレア
黒点付近で見られる爆発をフレアと呼ぶ。コロナでの磁場のひずみが限界に達し、そのエネルギーが放出されて起こる。
太陽の自転
太陽表面の黒点の位置は変化しており、自転していることが確認できる。自転の向きは惑星の公転の向きと同じである。また、自転の周期は緯度によって異なっている。これは太陽が固体ではなく液体であることを示している。緯度が0℃だと25.1日、緯度が90°だと29.5日ほどである。
黒点は太陽投影板を使えば簡単に観察することができる。
黒点相対数
黒点相対数Rとは次の式で与えられる太陽の活動を示す値である。
R = k ( 10g + f )
f:太陽の黒点の数、g:黒点群数、k:観測方法によって決定する定数
このRの値は11年を周期として変動していることが観測によってわかっており、これを黒点周期と呼ぶ。黒点周期はコロナやフレアの活動とも関連している。
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蝶形図
横軸に時間、縦軸に黒点の出現場所の緯度をとったグラフを蝶形図と呼ぶ。その名の通り、グラフは蝶の羽の形をしている。11年を周期として、黒点は中緯度から低緯度へと移動していくのがわかる。