神経誘導とは
外胚葉は原腸胚後期において中胚葉に裏打ちされるような構造を取り、中胚葉から誘導物質が分泌されて神経管が誘導されることが知られている。この一連の誘導を神経誘導と呼ぶ。神経誘導は、ノギン、コーディン、BMPなどのタンパク質によって制御されている。
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ノギンとコーディン
ノギンやコーディンと呼ばれるタンパク質は、β-cat(βカテニン)などの作用によって合成されるタンパク質である。β-catは胞胚期においては、胚の予定背側で発現するタンパク質である。ノギンとコーディンは神経を誘導する物質であることが明らかになっている。下画像では赤点がノギンやコーディンである。
BMPとは
BMPは肺全体に均一に分布しているタンパク質である。外胚葉にはBMP受容体が存在しており、BMPが受容体に結合すると、表皮分化に関わる遺伝子発現が促進される。一方、BMPが受容体に結合しないと、神経分化に関わる遺伝子の発現が促進される。
ノギンとコーディンのBMPへの作用
ノギンとコーディンはBMPに結合する物質であり、外胚葉の一部(背側)ではBMPは受容体に結合できなくなっている。その結果、背側では神経が誘導され、その他では外胚葉は表皮となる。つまり、ノギンとコーディンは直接神経を誘導するのではなく、表皮への誘導を阻害することによって、神経の分化を引き起こしている。
下画像右では、T字部分がBMPが受容体に結合するのを抑制している領域(予定背側)である。