イカは意外とすごい生物
イカは頭足類に属する生物で、名前の通り頭から直接足が生えているという奇妙な構造を持っています。6億年前に出現したグループと考えられています。
頭足類は他にタコやコウモリダコなどがおり、どれも高度な知能を持つ生物です。タコは5億個のニューロンを持っており、体全体に分布しています。そのため、頭と体という脊椎動物のような概念が通じず、腕を切っても腕だけで餌を捕獲しようとします。まさに全身が脳のような生き物です。
イカも優れた知能を持っていると考えられています。イカが出現してから、長い歴史の中で様々な特徴を持つイカへと分化していきました。それでは、見ていきましょう。
ダンゴイカ
ダンゴイカはハワイに生息するイカです。ヒレが発達しており、かわいく動かしながら泳ぎます。外套膜は1~8cmと小型のイカです。おもちゃのような風貌からネット上で少し話題になりました。
色んな種類がいて、中には綺麗な模様のものもいます。
外套膜にはバクテリアを共生させており、発光させることができます。下から見た時に敵に見つかりにくいんだそうです。
コウイカ
コウイカは体色変化が非常に上手なイカとして有名です。個体同士のコミュニケーションや、捕食からのカモフラージュのために皮膚の色を素早く変化させます。この体色変化は色素胞(色素細胞)によってなされており、1mm2あたりに200個の色素胞が存在します。
ミズヒキイカ
イズヒキイカは未だ生体を捕獲したことがない謎に包まれたイカです。深海2000m~5000mに生息しており、胴体は40cmほどなのに対し、全長は7mもあります。つまり、足が非常に長いのです。
ゴマフホウズキイカ
漏斗(ろうと)と呼ばれる器官が非常に発達しているイカです。漏斗は水を勢いよく出して素早く移動したり、墨を吐いたりするのに使われます。外套膜の先端にちょこんとついているヒレもキュートです。
ダイオウイカ
世界最大のイカであり、世界最大の無脊椎動物です。日本で発見されたものは全長6.5m、ヨーロッパで発見された個体は18mでした。直径30mの目を持ち、地球上で最大の目を持っていると言われています。
トビイカ(アカイカ科)
トビイカは漏斗から水を勢いよく噴き出して空を飛ぶことで有名です。その飛行距離は20~30mにもなり、敵から一瞬にして逃げ去ることができます。北大が中心となって初めて飛行の様子を撮影しました。
ユウレイイカ
ユウレイイカは全身が白くユラユラと泳ぐ姿から名付けられました。全身が寒天質で柔らかく、眼の周りや腕から光を放ちます。殆ど捕獲の事例がなく、生態はわかってません。
サメハダホウズキイカ
体が目と肝臓以外は透明なのが特徴です。深海にも生息しますが、光が届く範囲でも生活するため、体が透明だと敵から狙われにくいというメリットがあります。大きいものは3mにも達します(ダイオウホウズキイカ)。
ウチワイカ?
2018年にメキシコ湾で撮影された奇妙なイカです。新種なのか、ウチワイカの一種なのかはまだ調査中とのことです。
メダケイカ
水深900mほどのところで生息している深海イカです。こちらの映像はメダケイカ(Asperoteuthis mangoldae)の生きている姿を初めて撮影したものです。頭に特徴的なヒラヒラがあります。