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【化学】水素・水素化合物・水素化物

水素Hとは?

水素は宇宙に最も多く存在する元素です。水素は宇宙が誕生した時に、最初にできた元素でした。その後核融合を経てさらに重い元素が誕生しました。宇宙の元素の75%を占めますが、地球上では全体の0.9%しかありません。

なぜ地球の水素原子の割合は低いの?

地球誕生期に高温であったため、軽い水素は地球外へ拡散してしまったと考えられています。

水素H2を得る方法

H2は水の電気分解、金属と酸の反応によって得ることができます。なお酸との反応では希硝酸を使うと酸化還元反応が起き、H+の代わりにNO3が電子を奪っていくため、水素が発生しにくくなります。

また、純粋な亜鉛と酸との反応は進みにくくなります。

なぜ純粋なZnだと酸との反応が進まないの?

Znが純粋であると、表面のZn2+の濃度が高くなり、H+がZnに近づきづらくなります。そのため、反応が進みにくくなります。少量のCuSO4などを加えることによって、Znの表面にCuが析出し、H+が近寄りやすくなり、反応が進みます。

キップの装置とは?

なお、固体試薬に液体試薬を加えて常温で気体を発生させる際には、キップの装置を用いると便利です。キップの装置では、発生した気体が通る管に栓がついており、栓を閉めると、内部の圧力があがり、液体試薬を押し上げて固体試薬から離れ、反応が止まるようになっています。

水素H2の燃焼

水素に点火すると次の反応が起こります。

2H2 + O2 = 2H2O(気) + 484kJ

酸水素炎とは?

酸素と水素との反応は多量の熱を発するためバーナーなどに使用されます。この炎を酸水素炎と呼びます。金属の溶接、石英などの溶融加工に利用されます。

還元剤としての水素H2

水素はOを奪う働きが強く還元剤として利用されます。

CuO + H2 → Cu + H2O

水素の化合物

水素が非金属元素や金属元素と結合した物質を水素化合物と呼びます。また、水素化合物のうち、2つの元素からなる水素化合物を水素化物と呼びます。

例えば、CH3COOHは水素化合物ですが、CH4は水素化物(CとHの2つの元素からなる)と呼びます。

水素化合物と水素化物の違い

違いをまとめると次のようになります。

水素化合物:水素原子と非金属元素・金属元素が結合した物質の総称

水素化物:水素化合物のうち、2つの元素からなるもの。

なぜ金属元素の水素化物は塩基性になるの?

NaH、MgH2、AlH3は塩基性を示します。また、塩基性の強さはNaH > MgH2 > AlH3となっています。これらの水素化物は水と反応して、水酸化物を生じ、水素を発生します。

NaH + H2O → NaOH + H2

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