粒子の拡散とは?
ある気体を放置しておくと、気体分子は自由に移動をはじめ、全体が均一になります。このような現象を拡散と呼びます。拡散は、分子が運動エネルギーを持って、絶えず運動していることによります。この粒子の運動を熱運動と呼びます。
拡散は液体分子にも見られる現象
拡散は液体分子にも見られる現象です。しかし、分子同士の密度が高いため、頻繁に粒子同士が衝突してしまい、拡散には時間がかかります。しかし、濃度が高い方から低い方へのの粒子の動きは、全体が均一になるまで続きます。この逆の動きは絶対に起こりません。
マクスウェル・ボルツマンの分布とは?
例えば、100℃の気体があったとしても、その粒子1つ1つの速度を見てみると、均一ではなく様々な速度のものがあります。中には速度0m/sのものから速度1000m/sまで存在し、その平均が「温度」となっています。
マクスウェルとボルツマンは、同じ温度であっても気体分子は同じ速度で運動しているわけではなく、速度分布曲線に従って運動していることを発見しました。これをマクスウェル・ボルツマン分布と呼びます。
高温になるほど速い分子の割合が増します。しかし、高温になっても速度0m/sの分子が無くなるわけではないので、グラフの山の高さは低くなります。
また、分子量が小さいほど平均速度は大きくなります。これは、運動エネルギーE = 1/2 mv2の式に当てはめて計算すれば導きだすことができます。(温度=運動エネルギーの大きさと考える)。
気体の圧力とは?
また、熱運動を繰り返している気体分子は、絶えず壁に衝突しているため、一定の力を与えています。これを気体の圧力と呼びます。
温度が高いほど(衝突の速度が高いほど)、分子の数が多いほど(密度が高いほど)、気体の圧力が高くなります。
大気中の気体による圧力
大気中の気体は、地上に衝突して気体の圧力を及ぼしています。この圧力を大気圧と呼びます。トリチェリーは水銀柱を使い、大気圧の大きさを計りました。その結果、標準的な大気圧は760mmHgであるとし、1atm(気圧)と定めました。
現在ではPa(パスカル)が国際単位として定めされており、1m2の面に1Nの力が働く圧力を1Paと呼びます。1Pa = 1.013×105 Paです。
なぜ水銀が使用されたの?
水銀が使用されたのは、水銀の蒸気が僅かに管の上部に存在するのですが、極めて小さく殆ど無視できる値であったためです。他の液体ならば、その液体の蒸気圧を計算する必要がありました。