ちょっとディープな生物の世界

【化学】金属結合とは?金属結合の強さの決まり方

金属結合とは?

金属原子が集合すると、最外殻の電子殻が重なり合い、電子が金属全体を自由に動き回るようになります。この電子を自由電子と呼び、この電子が動き回ることによって、金属原子同士が結び合わさっています。この結合を金属結合と呼びます。

https://en.wikipedia.org/

金属結合の本質は、自由電子と金属原子の間に働く静電気による引力です。金属が多く集まると、電子は安定して動き回ることができるため、より多くの金属が集まるよう、多くの金属は最密充填構造を取ります。

金属の表し方

金属は多数の原子が集合した物質であるため、最小単位となる分子が存在しません。そのため、組成式で示します(銅はCuなど)。

金属の温度と電気抵抗

自由電子により、金属は電子や熱が運ばれやすい性質があります。金属は高温になるほど、振動が激しくなるため、自由電子が動きにくくなります。そのため、高温の金属は電気抵抗が大きく、低温の金属ほど電気抵抗が小さくなります。

絶対零度に近い温度になるほど、電気抵抗が著しく小さくなります。Hg(水銀)は、4Kになると電気抵抗が0になることが知られており、この現象を超伝導と呼びます。

なぜ金属は熱伝導しやすいの?

金属を熱すると、自由電子の熱運動が激しくなり、この自由電子が移動することによって熱が周囲へ伝わりやすくなっています。

展性・延性

金属には、展性・延性があります。これは、自由電子によって方向性関係なく原子同士が結合しているためです。Au(金)は10-4mmまで薄く引き延ばせることができます。

なぜ金属は光沢があるの?

自由電子が光を殆ど反射してしまうため、金属には特有の光沢があります。これを金属光沢と呼びます。

例えば銀では紫外線よりも波長の長い可視光は全て反射するため、銀白色に見えます。しかし、銅では黄色より波長の短い光は吸収して、赤色光を反射するため、赤みの帯びた色(赤銅色)となります。

金属結合の強さ

自由電子の数が多いほど金属結合の強さも大きくなります。そのため、アルカリ金属は価電子が1しかなく、自由電子の数も少ないため、非常に柔らかく、融点が低いものが多いです。

遷移元素は、内殻のd軌道の電子の一部が自由電子として働くため、典型元素の金属よりも硬く、融点が高いものが多いです。

水銀は金属結合が非常に弱いため、常温で液体となっています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です