ちょっとディープな生物の世界

なぜ高濃度のアンモニウムイオンは植物にとって害なの?

プロトンH+の濃度勾配をめちゃくちゃにするから

photo by wikipedia

高濃度のアンモニウムイオンは植物にとって毒であることが知られています。

アンモニウムイオンはまずpHが高い葉緑体ストロマ・ミトコンドリアマトリックでOH-と反応しNH3になります。NH3には膜透過性があり、ストロマ・マトリックスの膜を通過することができます。呼吸や光合成ではプロトンH+の濃度勾配を作ることによってATPを合成していますが、膜を通過したNH3はH+と結合しNH4+を形成します。H+がどんどん消費されていき、プロトンの濃度勾配を形成できなくなり、光合成も呼吸もストップしてしまいます。

適度なアンモニウムイオンは栄養になるけど、高濃度だと害になるんだね!低濃度のアンモニウムイオンも細胞内に放っておいたら害になるのですぐにアミノ酸に変換されるよ。

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