もやもや病とは?
もやもや病は、脳内の特定の動脈が収縮する病気です。血流は血栓によって遮断されます。閉塞された部分を補うために、別のルートで血流が流れますが、その際に細い血管が複数形成されます。このたくさんの血管を血管造影の画像で見た時に、モヤモヤしているように見えることから、「モヤモヤ病」と名付けられました。
下画像の矢印の部分で「もやもや血管」が生じています。
3Dアニメーションでみるとさらに理解しやすいです。
症状は?
もやもや血管は、血流を補うために即席として作られた血管です。そのため、強度がなく脳出血を引き起こす可能性があります。出血場所が悪ければ致命傷となります。
また細いため血流が詰まりやすく虚血(脳の血液不足)も起こります。虚血は過呼吸によって二酸化炭素濃度が低くなることで発生します。血液中の二酸化炭素は血管を拡張させる働きがあります。そのため、二酸化炭素濃度の低下は血管の収縮を招き、もともと細いもやもや血管はすぐに血が止まってしまい、虚血となります。その結果、失神してしまうこともあります。
過呼吸といっても、過度のものではなく、ラーメンを冷やすために息を吹きかける行為や、リコーダーやピアニカなどを吹く行為程度であっても、虚血が起こります。
原因は?
原因は不明ですが、ある遺伝子(原因遺伝子)に異常が起こっていることだけはわかっています。
治療方法は?
薬物治療がなされますが、それは虚血等の症状に対しての治療となり、根本的な解決にはなりません。また、外科手術をし、血管にバイパスを作る場合もあります。日本では特定疾患(難病)に指定されています。