TCP/IPとIPアドレス
LANケーブルで接続された端末同士は、通信することが可能となります。この通信のルールを通信プロトコルと呼びます。
殆どの場合において、TCP/IPプロトコルが採用されています。TCP/IPプロトコルはインターネットの標準プロトコルとして採用されており、その他の通信においても主流となりました。
TCP/IPによる通信では、IPアドレスによって相手を判別します。IPアドレスはネットワークアドレスとホストアドレスで構成されたデータです。ネットワークアドレスではネットワークの種類について情報を提供し、ホストアドレスではネットワーク内での実際の利用者(ホスト)についての情報を提供します。
ネットワークアドレスとホストアドレス
例えば、191.168.1.100というIPアドレスと255.255.255.0というサブネットマスクがあったとします。サブネットマスクとはどこまでがネットワークアドレスでどこまでがホストアドレスなのかを示すものです。255の値の箇所がネットワークアドレス、0の値の箇所がホストアドレスになります。つまり、前半3つの値がネットワークアドレスなので、191.168.1がネットワークアドレスになります。100がホストアドレスです。
ネットワーク全体を示す場合のIPアドレスは、ホストアドレスを0にします。つまり、191.168.1.0となります。
基本的にネットワークアドレスが同一だと、同じネットワーク内なのでスイッチが経由しても通信することができます。しかし、同一スイッチ上で接続されていても、違うネットワークアドレスには通信することができません。
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの違い
IPアドレスにはグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの2種類があります。グローバルIPアドレスとはインターネットに接続する際に必要なるIPアドレスです。プロバイダーなどから支給され、ルーターなどに割り当てられます。
一方、ルーターから各コンピュータに割り当てられるIPアドレスをプライベートIPアドレスと呼びます。このIPアドレスはLAN内だけのIPアドレスです。そのため、LAN内で重複していなければ、他のLANに繋がるコンピュータと同じでも構いません。
プライベートIPアドレスは、グローバルIPアドレスと通信することはできません。そのため、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスと変換する機器が必要です。普通はルーターにNAT(Network Address Translation)と呼ばれる機能がついており、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換して通信しています。
プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを確認する方法
プライベートIPアドレスはコマンドプロンプトでipconfigと入力すれば確認することができます。
一方、グローバルIPアドレスはサーバー監視システムのサービスを利用すると確認することができます。
IPアドレスを割り当てる方法
グローバルIPアドレスはICANNと呼ばれる機関が大元となり、その下に連なる組織がプロバイダーをまとめています。プロバイダーにはグローバルIPアドレスが割り当てられています。家庭などでインターネットに接続すると、プロバイダーが所持するグローバルIPアドレスが割り当てられます。グローバルIPアドレスは他のネットワークと重複することがない、固有の値です。しかし、接続する度に変化することはあります。
プライベートIPアドレスは、DHCPサーバーから供給されるIPアドレスです。DHCPサーバーは普通はルーターに内蔵されており、ルーターに接続するパソコンなどにプライベートIPアドレスを供給します。
サーバーには2種類のネットワークを設定する
通常、サーバーには2本以上のLANケーブルを接続されています。これは、ユーザー用と管理者用のネットワークを分けるためです。ユーザー用に問題があったあった場合、もしネットワークが1つであるとどこに問題が生じたのか判別することが非常に難しいです。しかし、もう1つのネットワークがあると、管理ネットワークアダプタ経由で問題点を知ることができます。そのため、ユーザー用と管理者用では、1つのサーバー内でネットワークを分けて設定します。