サル社会にも「モテ」が存在する。
サルの社会を観察してみると、やはりオスメス間において人気がある個体というものがいます。つまり、モテる個体です。モテる個体を記録していると、オス・メスそれぞれに特徴があることがわかりました。
子どもをたくさん育てたメスはモテる
メスの場合には「子どもを育てたメス」がオスに人気です。それも何頭も子どもを育てたおばちゃんサルでも、若いメスよりもオスに人気で、発情すると大勢のオスが寄ってくるといいます。一方、若いメスは発情しても、大人になりきれていない若いオスしか寄ってこないそうです。
サル社会においては、若さよりも確実に自分の子どもを育ててくれることが魅力なようです。若いメスは妊娠しない可能性もあり、また初産は死産となる可能性が高いです。一方、子どもを何回も産んでいるメスはほぼ確実に妊娠し、安全に産んでくれるということなのでしょう。
「新しい」オスはモテる
子どもを残すオスは群れの中で高い順位の場合が多いです。高い順位のオスは、低い順位のオスを威嚇し、交尾する機会を多く持つことができます。しかし、交尾をする機会が多いことと「モテる」ことは異なります。一概に高い順位だからといってメスから人気があるわけではありません。
メスに人気があるのは「新しい」オスであると言われています。見慣れてしまったオスよりも、目新しさのあるオスの方がメスが寄ってくるそうです。遺伝的多様性を保ちたいとの本能があるのかもしれません。
生物によって「モテ」は異なる
やはりサル社会は人間社会とは少し異なるようです。しかし、その生物種にとって最適な性的な魅力がセッティングされているのでしょう。人間の性的な魅力の基準も、サルから見れば奇妙なものなのかもしれません。