最も小さい生物 マイコプラズマ
1988年、ヨーロッパやアメリカで胸膜肺炎の牛から病原体が単離された。それが今日マイコプラズマと呼ばれる微生物である。
マイコプラズマは細胞壁を持たず、細胞膜のみで包まれている。そのため、柔らかく、様々な形をとりうる。また、直径が100nm~800nmと、大型ウィルスと同じくらいの小ささである。ゲノムサイズも真正細菌の下限よりもさらに小さい。現在では、真性細菌から独立したモリキューテス綱に分類され、約90種が報告されている。真性細菌から退化的に進化したの仮説もある。
なんにせよ、マイコプラズマはDNA、RNA、リボソーム、酵素などを持ったれっきとした最小の生物である。