カサノリの巨大核は分裂するから
カサノリは長さ10cmほどの茎を持つ巨大な単細胞生物である。核は仮根に1つだけ存在し、非常に大きな巨大核である。
カサノリのカサができはじめると、この巨大核は分裂し、数千個の多核体になる。カサが大きくなると、核が移動し、数千個の胞子が形成される。胞子内で核がさらに分裂を繰り返し、最終的に胞子内の核を全て合わせると2000~3000個になる。これらの核は最終的に1個体の配偶子の核となる。
つまり、カサノリは若い頃は巨大核を持つ単細胞生物で、成熟すると巨大核が配偶子形成のために分裂して多細胞生物になると言える。ちなみに、単細胞生物の頃は、巨大核が大量のmRNAとrRNAを生産し、巨大細胞内の先端まで絶えず物質を輸送している。