突然変異とは
DNAの塩基配列が何らかの理由によって変化することを突然変異と呼ぶ。
突然変異の種類には置換、欠失、挿入の3種類がある。
- 置換:1つ以上の塩基が他の塩基と変わってしまう。
- 欠失:1つ以上の塩基が失われる。
- 挿入:1つ以上の新たな塩基が挿入される。
置換突然変異の場合
置換突然変異が起こると、次の場合が考えられる。
何も変化しない
もし、塩基配列が変化したとして、同じアミノ酸を指定する配列になれば、変化は起こらない。
アミノ酸が1つ変わる
突然変異を起こした場所のアミノ酸が変化する。1つのアミノ酸の変化であるが、重大な変化をもたらす場合もある(鎌状赤血球は1つのアミノ酸の変化である)。
終始コドンが生じてポリペプチドが短くなる
突然変異の結果、終始コドンが指定されてしまうと、正常よりも短いポリペプチドが形成される。重大な影響を及ぼす。
終始コドンに変化が生じてポリペプチドが長くなる
終始コドンに変化が生じると、逆に翻訳が終わらなくなるため、正常のものよりも長いポリペプチドが形成され、重大な影響を及ぼす。
欠失・挿入突然変異の場合
3の倍数以外の数の塩基の欠失・挿入が起こると、そこから読み取る位置が全てズレていく。
AAA TTT GGG CCC AAA TTT GGG…
AAT TTG GGC CCA AAT TTG GG…
すると、アミノ酸配列が大きく変化してしまい、重大な影響を及ぼす。これをフレームシフト突然変異と呼ぶ。
置換突然変異と欠失・挿入突然変異どちらが生物に大きな影響を与えるか
置換突然変異の場合は、終始コドンが出れば大きな影響を与えるが、確率としては低く、1つのアミノ酸が変化する場合が多い。
一方、欠失・挿入突然変異はフレームシフト突然変異が起こる確率が高く、重大な影響を生物に与えやすい。