シグナル伝達
生体は複雑極まった細胞社会である。細胞同士が連絡を取り合う手段として4つの方法がある。それらは、内分泌型、神経(シナプス)型、細胞接触型、傍分泌(パラクリン)型である。※下画像の「オートクリン型」はここでは扱わない。
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内分泌型
血液中にシグナル分子(親水性のペプチドホルモンなど)を分泌し、血流に乗せて情報を伝達する。血流に乗せるため、全身をシグナル分子は巡る。
神経(シナプス)型
神経細胞のシナプスから神経伝達物質が放出され、シナプスの後ろの細胞(シナプス後細胞)に情報を伝達する。
細胞接触型
シグナル分子を持つ細胞が、標的細胞の受容体に直接に結合し、情報を伝達する。樹状細胞などのヘルパーT細胞への抗原提示などがこれに当たる。
傍分泌(パラクリン)型
シグナル発信細胞がシグナル分子を周囲(組織液など)に分泌し、周囲の細胞に情報を伝達する。血流に乗らないため、範囲は局所的である。例えば、ニワトリの前肢形成は、極性化域(ZPA)と呼ばれる部位が合成する形態形成物質によることが知られている。ZPAから傍分泌される形態形成物質はなだらかな濃度勾配を作り、その濃度差によって第何指が形成されるかが決定する。傍分泌型は発生の際によく見られる。