反応速度測定方法-ミカエリス・メンテンの式-
基質濃度を徐々に上げた試験管を用意し、それぞれに酵素を加えて基質が消費された速度を計測し、初速度を計算する。その値をプロットするとよく教科書で見かける下記の双曲線を得ることができる。この曲線は式として表わすことができ、ミカエリス・メンテンの式と呼ばれている。
基質が消費された速度については、特定の波長の光を吸収する分光光度計で直接観察することができる。たとえば、脱水素酵素によるNADHを生成する反応の場合、NADHは340nmの光を吸収するが、酸化型のNAD+は吸収しないなどの性質を利用し、NADHの生成速度を測定できる。
出会った直後の反応を観測する-ストップフロー装置-
酵素の反応の中には、進行が早すぎるものがある。早いものでは1000分の1秒以内に基質が消費されてしまうこともある。その場合、悠長に試験管を測定している場合ではない。
最初の数ミリ秒の反応を観測する場合には、ストップフロー装置を使う。この装置では2本の注射器に基質と酵素をそれぞれ準備し、混合管を通る際に出会うようにしておく。混合管のある地点に光源と検出器をセットしておく。混合管内は常に基質と酵素の混合液が素早く流れており、出会ってすぐの反応を観測することができる。