第6問 問1
ヒトには自己と非自己を区別し、非自己を排除する機構が備わっている。この免疫機能について、正しいものを次の文章から全て選べ。
- 抗体はL鎖とH鎖からなり、L鎖が可変部、H鎖が定常部である。
- ワクチンは病原体に対する免疫グロブリンのことを指す。
- リンパ球は抗原提示する。
- 全てのリンパ球は骨髄由来の細胞である。
- 細胞性免疫では免疫記憶が生じず、体液性免疫では免疫記憶が生じる。
問1 解答&解説
4
1:L鎖、H鎖どちらにも定常部、可変部がある。
2:ワクチンは無毒化した抗原を指し、体内で抗体を産生させることを目的としている。
3:B細胞は抗原提示を行うが、T細胞、NK細胞等は行わない。
4:T細胞の成熟は胸腺で行われるが、由来は骨髄の造血幹細胞である。
5:どちらも獲得免疫なので、免疫記憶が生じる。
第6問 問2
次の文章の空欄を下の語群から選んで埋めよ。
近年、ブタの臓器をヒトに移植する異種間臓器移植が検討されている。ヒトには免疫機能があるため、ブタの細胞表面にヒト由来の拒絶反応を抑制するタンパク質Xを発現させる技術が検討されている。
ブタの細胞表面にある目的のタンパク質Xを合成させるためには、次のような手順を行う。まず、豚の体全体もしくは目的の臓器でよく発現する遺伝子に由来する(A)と(B)とタンパク質のXの遺伝子を、この順に結合させたDNA断片を作成する。このDNA断片をウイルスなどを用いて、受精卵のDNAに組み込み、子宮に戻して育てさせる。すると、体全体でタンパク質Xを合成する遺伝子組み換えブタが生まれる。
(イントロン、エキソン、プロモーター、オペレーター、リプレッサー、mRNA、tRNA、転写調節領域、翻訳領域)
問2 解答&解説
転写調節領域、プロモーター
転写が開始するためには、転写調節領域とプロモーターが必要。これらの配列をタンパク質Xの遺伝子に繋げてやれば、タンパク質Xが合成されるようになる。
第6問 問3
ブタの臓器をヒトに移植する方法として、遺伝的に特定の臓器を欠損したブタの胚盤胞に、臓器を移植される人から得た細胞を注入することによって、拒絶反応を起こさない細胞で構成された臓器を作りだすことができる。
近年注目されている、この「人から得た細胞」の名称とは何か。
問3 解答&解説
iPS細胞
ES細胞は、移植されるヒトから得た細胞ではないので間違い。ブタの胚盤胞にiPS細胞や幹細胞を移植する技術を、キメラと呼ぶ。