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拒絶反応とは-MHC(HLA)の役割-

拒絶反応とは

移植された細胞を非自己とみなしてキラーT細胞などが攻撃する反応を拒絶反応と呼ぶ。細胞表面にある主要組織適合抗原(MHC)が適合しなければ移植することはできない。通常、MHCが完全に一致することは確率的に難しいので、免疫抑制剤を投与して移植臓器への攻撃を抑える処置がされる。

MHCとは全脊椎動物における主要組織適合抗原の名称であり、ヒトの場合はMHCのことをHLA(humena leucocyte antigen ヒト白血球抗原)と呼ぶ。

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どうしてヒトのMHCはHLAと呼ぶか

当初、HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)が発見された時には白血球のみに存在すると考えられていた。つまり、HLAは白血球の特有の主要組織適合性複合体であり、全ての細胞で発現するMHCとは区別されるものであった。

しかし、研究が進むにつれてHLAは白血球の抗原だけではなく、全ての細胞に存在する抗原であると認識され、HLAはMHC(主要組織適合性複合体)であることが判明した。発見当時の名残から、ヒトのMHCはHLAと呼び続けている。

HLAと拒絶反応

HLAが完全に同じでなくても移植することはできる。しかし、強い拒絶反応を防ぐためにヘルパーT細胞の増殖を抑える免疫抑制剤が使われる。

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免疫を抑制するわけであるから、人体は危険に晒されることになる。また、骨髄移植では血液全てが入れ替わるため、HLAの一致が絶対条件となっている。

副作用や危険性のない免疫抑制剤は存在しない。大部分のものは非選択的に作用するため、免疫系は感染や悪性新生物の拡大をうまく抑えることが出来なくなる。高血圧、異脂肪血症高血糖、消化性潰瘍、肝臓や腎臓の機能障害などの副作用もある。免疫抑制剤は他の薬剤の代謝や作用に影響することもある。
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MHCの違いと好きな異性のタイプ

MHCの遺伝的違いが好きな異性のタイプにも関連付けられるのではとの意見もある。が、本当の所はまだ分かっていない。

MHC遺伝子が遠い人の匂いほど、好ましく感じる
実験はこのような手順で行われました。男性には、香辛料の強い食事や香水などの使用を避けて、週末の2日間、同じ木綿のTシャツを着て過ごしてもらいます。その後、使用済みのTシャツは、実験室に集められ、被験者の女性たちにTシャツの匂いを嗅いでもらい、好感度のある順番に並べさせました。その結果、女性たちは、MHC(Major Histocompatibility Complex)という免疫をつかさどる遺伝子の値が、遠い男性のTシャツほど、好ましい匂いと回答していたそうです。

出典2/3 彼氏の「におい」にフェチな女性が多い理由 [西郷理恵子の恋愛コラム] All About

免疫記憶と拒絶反応

移植の際にも免疫記憶細胞が形成される。ネズミの皮膚移植実験では、一度移植して失敗したものは、次に移植する際には1回目よりも早くに拒絶反応が起こる。

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