ちょっとディープな生物の世界

免疫に関する疾患-アレルギー・自己免疫病・エイズ-

アレルギー

整体に不都合な過敏な免疫反応をアレルギーと呼ぶ。花粉、牛乳、そば粉、卵などが抗原となって抗体が産生される。抗体が皮膚や気管に存在するマスト細胞(肥満細胞)に結合し、マスト細胞からヒスタミンが分泌される。

ヒスタミンは花粉症や発疹、喘息発作などの症状を引き起こす。

 

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ちなみに、肥満細胞とは哺乳類の粘膜下組織や結合組織などに存在する造血幹細胞由来の細胞である。肥満細胞という名前ではあるが肥満とは関係が無く、膨れた様が肥満を想起させることからついた名前である。

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アレルギーの種類

アレルギーには即時型遅延型の2種類に分けられる。

即時型アレルギー

即時型アレルギーは抗原が体内に入るとアレルギー性鼻炎、気管支喘息、蕁麻疹等の症状がすぐに生じる。また、反応が激しく、全身性のものをアナフィラキシーと呼び、さらに急速な血圧低下によりショック状態を呈したものをアナフィラキシーショックという。また、この種のアレルギー症状は、10分前後で現れてくる。

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遅延型アレルギー

遅延型アレルギーには細胞性免疫が関わるため、症状がでるまでに24時間以上かかる。ツベルクリン反応(下画像)、接触性皮膚炎などがある。

ツベルクリンは、結核菌感染の診断に用いられる抗原(タンパク質)の名称である。ヒト型結核菌の培養液から分離精製するよことによって得られる。結核菌に対する免疫を持っている場合は、注射後にアレルギー反応が起こる。昔は、この検査の後に、陰性者のみに結核菌ワクチン(BCG)を接種していたが、現在は全員が生後6ヶ月までに接種することになっている。

自己免疫病

自己の成分に対して抗体やキラーT細胞が反応する病気を自己免疫病と呼ぶ。免疫が関節などの細胞を破壊し、変形・痛みを引き起こすものを関節リウマチという。

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また、抗体によって筋肉の伝達が阻害され、筋肉が脱力する重症筋無力症などもある。

エイズ(後天性免疫不全症候群)

HIV(ヒト免疫不全ウィルス)はヘルパーT細胞に感染するウィルスである。ヘルパーT細胞が感染し、破壊されるとB細胞やキラーT細胞が活性化されなくなり、獲得免疫が機能しなくなる。これがエイズが治療できない病気である理由である。エイズの発症は遅らせることはできても、完全に治すことは今のところできない。

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HIVは膜の中に殻があり、さらにその殻の中にRNAを持っている。

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エイズに感染すると、免疫機能が働かないために至るところで病原菌が繁殖する。そのため、弱い病原菌であっても重症化する日和見感染が起こる。

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