目的
筋肉をグリセリン溶液に長時間浸すと水溶性タンパク質が溶出し、アデニンとミオシンだけの骨格が残り、横紋を観察しやすくなる。
グリセリン筋は、細胞膜をはじめとする膜構造が壊れ、トロポニンなど筋収縮を調節するタンパク質が溶出し、アクチン・ミオシン系の収縮構造しか残らない。しかし、単純化した実験系で骨格筋の収縮が観察できるので、一時期盛んに使われた。
準備
- 試料:ニワトリのササミ(冷凍でないもの)
- 器具:冷蔵庫、シャーレ等
- 試薬:50%グリセリン水溶液
実験方法
- ささみを筋肉にそって直径5mm程度に割く。
- 50%グリセリン水溶液をシャーレに準備し、割いた筋肉を2日間漬けて置く。
- その後、新しい50%グリセリン水溶液に漬け直す(0℃以下で保存しておけば2年間は使用できる)。
- 実験に使用する前に、グリセリン水溶液内でグリセリン筋を1mm以下にできるだけ細くほぐす。
- 顕微鏡で観察する。
結論
- グリセリン水溶液に浸されていると、水溶性タンパク質が溶出し、アデニンとミオシンのみになり、横紋が確認できる。