ちょっとディープな生物の世界

[論述]尿素溶液と原形質分離

問題

濃い尿素溶液に細胞を浸すと、一旦原形質分離が起こったが、30分後にはもと通りになった。一方、濃いスクロース溶液に細胞を浸すと、原形質分離が起こり、元に戻らなかった。2つの溶液で、細胞の反応が異なったのは何故かを説明せよ。

解答例

スクロースは親水性であり、脂質である膜を透過できない。一方、尿素は親油性とまではいかないが、親水性でもない。そのため、拡散によって徐々に細胞内に侵入し、細胞内の浸透圧を上昇させる。それに伴い、30分後には細胞内の体積が元通りになる。 

尿素ですが、この分子は特に親脂性物質という訳ではありませんが、糖類ほど親水性ではありません。尿素の分子の酸素を硫黄で置き換えたチオ尿素はもっと親脂性で、したがって膜透過ももっと早いです。なお、尿素は能動輸送はされません。拡散によって膜を透過します。
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