14Cを使った年代測定方法
放射性炭素14Cは半減期が5730年であることが知られており、大気・海水中の二酸化炭素や炭酸イオン、また生物体の炭素の中に一定の濃度で存在していることがW.F.Libbyによって発見された。Libbyは、14Cの半減期を利用し、生物の化石などの年代を測定する方法を開発した。死んで地中に埋まった骨などは外部から炭素を吸収しないし排出もせず、時間が経てば経つほど14Cの割合が減っていくばかりなのである。
14Cはどこで生まれるのか
14Cは大気中で、宇宙線による核反応によって常に供給されている。そのため、昔からほぼ一定の濃度で大気中の炭酸ガスの炭素に含まれている。また炭酸ガスは植物によって同化されて、動物は植物を食べ…という連鎖の中で生物体の中にも拡がっている。
14Cは1g(5.03×1022個)の炭素の中に6.7×1010個の14C原子の割合で含まれている。5730年でβ壊変し、1分間当たり1gの炭素から毎分15のβ線が放出される計算となる。このβ線は、ラップ程度の厚さのものを辛うじて貫通する程度のエネルギーが低い放射線である。
14Cによる年代測定の問題点
この年代測定は大気中の14Cの濃度が一定であったとして行われるが、実際にはかなりの変動があったことがわかっている。樹齢が大きい植物の年輪を調べて見ると、数千年前の年輪では、現在よりも14Cの濃度が10%高かかったことがわかった。また、この14Cの濃度変化は、地球の磁石の強さと関係があることがわかっている。地球の磁石が強くなると、宇宙船は地球に到達する前で曲がり、大気中での核反応が起こりづらくなる。一方で、地球の磁力が弱まると、宇宙線が曲がらず、核反応が起こりやすくなり、14Cの割合が増加するのである。