バイオームとは
植生を外から見た時の外観上の特徴を相観と言い、相観の特徴を分類したものをバイオームと呼ぶ。バイオームは気温と降水量によって決まる。次の降水量、気温、バイオームのグラフは必ずその順番を覚えなければいけない。
横軸と縦軸で覚えるのが理解しやすいだろう。
横軸(気温):熱帯多雨林、亜熱帯多雨林、照葉樹林、夏緑樹林、針葉樹林
熱帯多雨林を除けば横軸は日本のバイオームの水平分布そのものである。
縦軸:熱帯多雨林、亜熱帯多雨林、雨緑樹林、サバンナ、ステップ、砂漠
この縦軸も何となく感覚的に覚えることができるだろう。下にいくほど乾燥していく。なお、硬葉樹林は非常に微妙な位置にあるため別に覚えなくてはならない。教科書や資料集によって図が微妙に異なるが、だいたい照葉樹林と夏緑樹林の間の下の当たりである。
なお、世界のバイオームの分布は以下の図の通りである。
熱帯多雨林
環境:年間平均気温20℃以上、年間降水量2000mm以上の高温多湿地帯
代表的植物:つる植物、ヒルギ、マングローブ林
亜熱帯多雨林
環境:年間平均気温18℃以上、年間降水量1300mm以上
代表的植物:ビロウ、ヘゴ、ソテツ、アコウ、ガジュマル
雨緑樹林
環境:雨季と乾季のある熱帯・亜熱帯地域である。
代表的植物:チーク 雨季には葉をつけ、乾季には落葉する。
照葉樹林
環境:年間平均気温13~20℃、年間降水量1000mm以上の温暖帯
代表的植物:シイ、カシ、クスノキ、ツバキ、タブノキ。クチクラ層が発達した光沢のある葉を持っている。
硬葉樹林
環境:夏に雨が少なく、冬に雨が多い地中海沿岸地域
代表的植物:オリーブ、コルクガシ。葉が小さく硬いのが特徴である。
夏緑樹林
環境:年間平均気温5~15℃、年間降水量1000mmの冷温帯
代表的植物:ブナ、ミズナラ。夏には葉をつけるが、秋には落葉する。
針葉樹林
環境:年間平均気温-5~5℃、年間降水量1000mm前後の亜寒帯
代表的植物:シラビソ、コメツガ、トウヒ、エゾマツ、トドマツ
サバンナ(熱帯草原)
環境:年間降水量1000mm以下で、雨季と乾季がある熱帯・亜熱帯地域
代表的植物:イネ科の草本(木にならない植物)、樹林は点在
ステップ(温帯草原)
環境:夏は乾燥し、冬は低温になる温帯
代表的植物:イネ科の草本
砂漠(乾燥荒原)
環境:年間降水量200mm以下の極端に乾燥している地域
ツンドラ(寒冷荒原)
環境:針葉樹が生育できないほどの寒帯地域
生育生物:地衣類(ちいるい)、コケ類