藻類とは
藻類とは、光合成を行なう生物種から種子植物、シダ植物、コケ植物を除くグループである。つまり、真正細菌であるシアノバクテリア(藍藻)から、真核生物で単細胞生物であるもの(珪藻、黄緑藻、渦鞭毛藻など)及び多細胞生物である海藻類(紅藻、褐藻、緑藻)などである。
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シアノバクテリア以外は原生生物界の生き物
紅藻類、緑藻類、褐藻類、ケイ藻類は原生生物界に分類される。一方、シアノバクテリアは原核生物(核膜がない)でありモネラ界に属する。シアノバクテリアはそもそも他の藻類の葉緑体の祖先となるような存在である。
紅藻類・緑藻類・褐藻類とケイ藻類の違い
「藻類」との名称がついているが、多細胞か単細胞かによって大きく分類が異なる。紅藻類・緑藻類・褐藻類は多細胞生物であるが、ケイ藻は単細胞生物である。
緑藻類とは
緑藻類・紅藻類・褐藻類という三つのうち、緑藻類は一般的な陸上植物に近い構造と生態を持った藻類の種族である。葉緑体には「植物」と同様にクロロフィルaとbが多く含まれている。シアノバクテリアの一次共生によって葉緑体を得ている。
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紅藻類とは
葉緑体には、クロロフィルa、フィコエリトリン(赤色の色素)やフィコシアニン(青色の色素)(フィコビリン類)も多く含まれている。そのため、体色が赤色や紫色をしている場合が多い。シアノバクテリアの一次共生によって葉緑体を得ている。
紅藻類はほとんどが海産の藻類である。特に、海の中でも水深が深い海域に生息している種類が多い。海中では深くなるにつれ、長波長の光(赤)が吸収され、短波長の光(青)しか届かなくなる。そのため、主に赤い光をキャッチするクロロフィルはうまく働くことができない。そこで、フィコビリン類が青い光をキャッチし、そのエネルギーをクロロフィルに渡している。
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褐藻類とは
葉緑体の内には、クロロフィルaとcの他に、フコキサンチン(褐藻素)と呼ばれる赤褐色の色素が多く含まれている。褐藻類は、紅藻類と同様に、そのほとんどが海産の藻類に分類される。褐藻類の葉緑体は紅藻類の共生によって得られたものであり、そのように一次共生した生物がさらに共生する現象を二次共生と呼ぶ。
褐藻類にはその中でも、全長が数メートルから数十メートルにも及ぶような大型の藻体を形成するような種も存在する。
紅藻類・緑藻類・褐藻類の違い
具体的な特徴の違いについては以下の点が挙げられる。
- 光合成色素の種類
- 淡水産か海水産か
- 生息域(水深)
光合成の種類については以下のような違いがある。
- 緑藻類:クロロフィルaとb:シアノバクテリアの一次共生
- 紅藻類:クロロフィルa、フィコエリトリン(赤色)、フィコシアニン(青色):シアノバクテリアの一次共生
- 褐藻類:クロロフィルaとc、フコキサンチン(赤褐色):紅藻類の二次共生
淡水産、海水産の区別については以下の通りである。
- 緑藻類:淡水産と海水産
- 紅藻類:殆ど海水産
- 褐藻類:殆ど海水産
生息域(水深)については以下の通りである。
- 緑藻類:比較的水深の浅い海域
- 紅藻類:浅い海域と深い海域
- 褐藻類:浅い海域と深い海域