酢酸オルセイン・酢酸カーミンとは?
どちらの物質も細胞の核を染色するために使われる染色液である。酢酸は組織を固定する働きをもっており、酢酸にオルセインやカーミンといった色素を溶かして作られる。
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なぜ核が染まる?
DNAはリン酸の水素イオン(H+)が電離しているため、DNA全体が負に帯電している。オルセインやカーミンは正の電荷を持つ物質であるため、DNAに引き寄せられ核が染まるのである。
酢酸オルセインと酢酸カーミンの違い
用途や性質(核を染める、正に帯電している)はどちらの溶液も同じであるが、酢酸に溶解している物質が異なる。オルセインは以下のような構造を持つ物質である。
カーミンは別名コチニール色素、又はカルミンレッドK、カルミンレッドMK-40、カルミンレッドKL-80、クリムゾンレーキ、ナチュラルレッド4、C.I. 75470、E120などと呼ばれる。カルミン酸と呼ばれる物質(下画像)がカーミンの色素の主成分である。
コチニール色素は昆虫から抽出されることで有名。コチニール色素は様々な食品で着色料として使われている。