ちょっとディープな生物の世界

閉鎖型空間で8人の人間が自給自足で2年間過ごす実験がすごい「バイオソフィア2」

バイオスフィア2とは

バイオスフィア2とは、閉鎖空間における生態系維持実験を行なう施設の名称です。アメリカ合衆国アリゾナ州の砂漠の中に建設されました。ちなみにバイオソフィア1とは、この通常の地球環境のことです。

バイオソフィア2の建物の面積は1.27ヘクタール、高さは最も高いところで28メートルあります。この手の施設では最大の規模です。しかし、完全閉鎖型ではなく、冷却と照明に関する電力供給は外部から頼っていました。最終的には太陽光などでまかなうことが考えられていました。

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実験内容

施設の中では、農耕、牧畜を行い食量、水分、酸素を自給自足することを目的としていました。目的達成のためには、様々起こる問題については科学的な分析によって克服することが求められました。

廃棄物等は非常に限られた生態系を循環するため、自然界では考えられない高濃度で再び人体に入ってくることが考えられました。そのため、試薬の使用などには十分な配慮がなされました。

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実験結果

実験は2年交替で科学者8名が閉鎖空間に滞在し、100年間継続される予定ででした。しかし、実際には1991年9月26日から1993年9月26日まで2年間のみ実施されました。実験が2年で継続不可能になった背景には酸素不足問題、食糧不足問題、心理学的問題の原因がありました。

酸素不足問題

計算上では大気は一定の割合で安定するはずでしたが、微生物の働きなどの変化や、日照不足などにより慢性的に酸素不足になりました。

また、酸素不足の中では二酸化炭素が上昇し光合成速度が上がるはずでしたが、肝心の二酸化炭素は建物の材に使われていたコンクリートに吸収されていることがわかりました。酸素不足は深刻な状況となり、外界から酸素の供給が開始されました。

食糧不足問題

大気成分の不安定さや、日照不足から食物が予想よりも育たず、また家畜は死に、食生活は実験後半んで悲惨なものとなりました。

心理学的問題

閉鎖された空間の中では情緒が不安定になり、人間関係に対立を生み出しました。また、食量不足や大気成分の不安定さなども心理的な大きな負担となりました。

この実験からわかったこと

150億円が投じて建設されたバイオスフィア2では、8人の人間を短期間しか生存させることはできませんでした。このことから、密閉された生態系を維持することがどれほど難しいことであるかが実証され、将来宇宙空間などにおける居住施設建設への課題が浮き彫りになりました。

一方で、この実験に参加したある研究者は密閉空間における生態系維持の研究を進め、月での完全循環型のカプセルを作ろうとしています。

バイオソフィア2に似た日本の施設

日本では青森県六ヶ所村に(財)環境科学技術研究所が閉鎖型生態系実験施設「ミニ地球」を建設し、同様の実験が行なわれています。

https://blogs.yahoo.co.jp

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