呼吸商(RQ)とその計算方法

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呼吸商とは

生物が放出する二酸化炭素を外部から吸収した酸素で割ったものを呼吸商(RQ)と呼ぶ。つまり、1酸素あたりにどれくらい二酸化炭素を放出するか、という値である。

kokyu

呼吸基質(炭水化物、脂質、タンパク質)によって呼吸商の値は異なる。例えば、炭水化物では次のような式になる。

C6H12O6 + 6O2 + 6H2O → 6CO2 + 12H2O

酸素が6、二酸化炭素が6なので、6÷6=1。炭水化物の呼吸商は1となる。

脂質はすべてがパルチミン酸だった場合は次のようになる。なお、下のような化学反応式は覚える必要はない。詳しくは下の「呼吸商の計算」を見てほしい。

2C51H98O6+145O2102CO2 + 98H2

RQ=102/145=0.703≒0.7

よって、脂質の呼吸商は0.7である。タンパク質は体内で完全に燃焼しないので計算は簡単ではないがタンパク質の呼吸商は約0.8となる。まとめると、各呼吸基質の呼吸商は次のようになる。

  • 炭水化物:1.0
  • タンパク質:0.8
  • 脂質:0.7

呼吸商の計算方法

例えば、C16H32O2の物質が好気呼吸に使われた場合の呼吸商を求めてみよう。始めに、この呼吸基質が好気呼吸に使われた反応式を作成する。この反応式は暗記する必要は全くなく、その場で作ることができる。

C16H32O2 + xO2 → yCO2 + zH2O

とO2、CO2、H2Oの係数をそれぞれx、y、zと置く。あとは化学反応式を作る方法と同じように式を完成させる。

Cに注目する

左辺はCが16個なのでy=16とする。

Hに注目する

左辺はHが32個なのでz=16とする。

Oに注目する

右辺にはOが48個あり、左辺には2個ある。そのため、残りの46個がxO2にあればよいのでx=23となる。

よって反応式は次のようになる。

C16H32O2 + 32O2 → 16CO2 + 16H2O

呼吸商は、CO2 / O2 なので次のようになる。

y / x = 16 / 23 =0.7

ちなみに呼吸基質はその物質によって呼吸商が決まっている(炭水化物:1.0、タンパク質:0.8、脂肪:0.7)。よって上記の物質は脂肪であることがわかる。

混合物の呼吸商

何か物を食べる際に、タンパク質単体で食べることは滅多にない。肉にはタンパク質も脂肪も炭水化物も含まれている。その際にはどのように計算したら良いだろうか。次の例題を見てみよう。

タンパク質の呼吸商は0.8である。1gのタンパク質が好気呼吸で消費されると、0.95Lの酸素が吸収され、0.16gの窒素が尿中に排出される。ある動物が酸素を428.0L吸収し、二酸化炭素を380.4L放出し、窒素8gを尿中に排出した。この時のタンパク質以外の呼吸商を求めよ。

タンパク質以外の物質で使用した際のO2を求める。

問題文より、タンパク質1gから0.16gの窒素が排出されるので、窒素8gを排出するのに必要なタンパク質は次のようになる。

8 / 0.16 = xg / 1g

x= 50g

さらに、タンパク質1gからは0.95LのO2が吸収されるので、50gのタンパク質では次のようになる。

0.95 × 50 = 47.5L

全体で使用した酸素量は428.0Lなので、タンパク質以外の呼吸基質で使用した酸素量は次のようになる。

428.0L – 47.5L = 380.5L

タンパク質以外の物質で排出されたCO2を求める。

上記と同様の方法でも良いが、呼吸商がわかっているため、次のような方法でもタンパク質で排出された二酸化炭素量を求めることができる。

タンパク質で排出された二酸化炭素 / 47.5L = 0.8

タンパク質で排出された二酸化炭素 = 38.0L

全体で排出されたCO2は380.4Lなので、タンパク質以外の物質で排出されたCO2は次のようになる。

380.4L – 38.0L = 343.4L

呼吸商を求める

タンパク質以外での呼吸商は次のようになる。

342.4L / 380.5L = 0.90

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