一定の空間に暮らす様々な個体群を生物群集と呼ぶ。生物群集は相互作用しながら生息している。
ニッチの分割・資源の分割
ニッチとは生態的地位(生息地・食物連鎖上の位置など)のことである。同じニッチを占める生物種は共存することはできないが、ニッチが変更されることによって共存が可能となる場合がある。これをニッチの分割と呼ぶ。
ニッチの分割は資源の分割によって引き起こされる。資源分割とは、同じニッチの生物種が種間競争によって進化し、利用する資源を変化させたことを言う。ドミニカ共和国のアノールトカゲが例として挙げられる。
基本ニッチと実現ニッチ
類似した個体群が同じ空間に生息すると、種間競争の結果、ニッチの変化が起こる。他種と共存した場合に実際にその種が占めるニッチを実現ニッチと呼ぶ。一方、一種だけがその空間に生息した場合のニッチを基本ニッチと呼ぶ。基本ニッチは実現ニッチよりも大きくなる。
形質置換
種間競争の結果、形質に変化が生じる現象を形質置換と呼ぶ。形質置換は種間競争を緩和する。また、形質置換は共進化の一種である。
共進化とは生物が他の生物に適応していく過程で,両方の生物がお互いに進化しあうこと。ダーウィンは,花底まで 30センチメートルもあるラッパ型の細長い蘭の花でも,その蜜を吸える蛾はいるはずだと考えたが,のちにそのような蛾が発見されており,共進化現象に気づいていたと思われる。
https://kotobank.jp/word/%E5%85%B1%E9%80%B2%E5%8C%96-157690
ダーウィンフィンチでは、ある種(A種)が単独で生息する島と、A種と異なる種(B種)が共存する島とではA種のくちばしの大きさに変化が見られた。これは種間競争によって形質転換が引き起こされたためと考えられる。
ダーウィンフィンチhttp://d.hatena.ne.jp/naturalist2008/20090723/1248304965
環境形成作用と多種の共存
森林の樹木に多様性があればあるほど、類似種の共存の可能性が高くなる。実際に、葉のつける高さの多様性がある森林では、鳥類の種多様性が高くなっている。海洋ではサンゴによって多様な環境が形成されるため、様々な生物が共存することができている。生物が環境に与える影響を環境形成作用と言い、多種が共存できるような環境を作り出している。
生物の生活は、環境との密接な関係の上になりたっている。環境とは、具体的に生物の生活の場と表現することができるであろう。環境を抜きにして生物の存在
はあり得ないともいえる。生物をとりまく環境のうち、生物に何らかの影響を与える要因を環境要因という。環境要因のうち無機的環境要因が生物に与える環境
のことを作用という。これとは反対に生物が環境にはたらきかけて影響を与えることを反作用(環境形成作用)という。また、生物どうしがお互いに影響を与え
ることを相互作用(生物相互作用)という。
http://spider.art.coocan.jp/biology2/ecology2inter.html
種数の決定要因
種数の決定要因には気候と面積が影響していると考えられている。熱帯と寒帯を比べると、はるかに温帯の方が種数が多い。温度と日射量が影響を与えていると考えられる。厳冬期には成長できないため、成長可能な期間が長ければ長いほど種分化の可能性が高まる。一方、面積が大きければ大きいほど種分化が高まる傾向がある。広い生息地ほど多くの種が共存可能となるためである。
熱帯雨林には世界中で一番多い生物が生息しています。
それらが地球の表面の2%以下を占めるだけなのに、熱帯雨林は地球の植物と動物の50%以上が住んでいる地方です。
熱帯雨林の豊かさの例を見てみましょう:
- 熱帯雨林に世界250,000の知られている植物種の170,000種があります。
- 米国にカエルの81の種があります。けれども、テキサスより小さいマダガスカルには300種のカエルが生息しています。
- ヨーロッパに321の蝶種があります。ですが、ペルー(マヌ国立公園)雨林公園には1300の種がいます。
熱帯雨林に多くの植物と動物が以下の理由で生息しています:
- 気候:熱帯雨林が熱帯地域にあるので、多くの日光を受け取ります。
この日光は植物の光合成プロセスによってエネルギーに変えられます。 たくさんの日光を受け取る熱帯雨林には多くのエネルギーがあることを意味します。
このエネルギーは植物層に蓄えられ、動物に食べられます。
多くの食糧があるので植物と動物の多くの種類が生息しています。
- 林冠: 林冠の構造は、植物が生える場所と動物が住むのためのより多くの場所があることを意味します。
林冠は食糧、避難所や隠れ場所の新しい提供源となり、異なった種類間のを相互作用が行われる世界となります。
例えば、葉に水を蓄えるブロメリアと呼ばれる林冠に生える植物があります。カエルのような動物はそれらの水たまりを
エサを得るためや彼らの卵を産み付けるために利用します。