ちょっとディープな生物の世界

プルシナーの実験「異常プリオンによって脳の損傷を確認」

プリオンとは?

狂牛病、クロイツフェルト=ヤコブ病など、脳が海綿状になり次第に体を動かせなくなる病気が発生している。日本においても「BSE問題」として牛肉輸入禁止などの措置がとられたこともあった。病気の原因となったのは、病原菌でも、ウィルスでもなく、タンパク質「プリオン」であることが判明した。このタンパク質は、ごく普通に生体内に存在するものである。しかし、病原体となる「異常プリオン」はその折りたたまれ方が「正常プリオン」とは異なる。

プリオン

自己増殖するタンパク質

プリオンは自己増殖することが知られている。折りたたみ方が異なる異常プリオンは、正常プリオンに働きかけて、異常プリオンにしてしまう。自己増殖といっても、一から異常プリオンを作り出すのではない。しかし、異常プリオンを摂取した個体内では、正常プリオンが徐々に異常プリオンへと変性していき、症状が悪化していく。

プリオン

プルシナーの実験

プルシナーはプリオン説提唱者であり、ノーベル賞受賞者でもある。プリオンが本当にBSEなどの病気の原因であるのかは、プルシナーが実験によって解明した。プルシナーは試験管内で、害のない正常なタンパク質の断片をバクテリア内で合成し、それを異常プリオンの形に折り込んだ。その後、この物質を7匹のマウスの脳に注射したところ、1年以上かけて全てのマウスが発症した(参考サイトhttp://wired.jp/

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