有性生殖

伴性遺伝

伴性遺伝

性染色体のどちらかにのみ遺伝子が存在する場合、性の区別と関連を持って遺伝が起こる。そのような遺伝を伴性遺伝と呼ぶ。普通、遺伝子型は性染色体の右上に記載する。

伴性遺伝

性染色体

ヒトの場合ならば23番目の染色体には、X染色体かY染色体の2種類がある。XXならば女性になり、XYならば男性になる。このように性決定に関係する染色体を性染色体と呼ぶ。

性染色体

様々な伴性遺伝

血友病

X染色体上には血液凝固因子遺伝子Aが存在する。また、血液凝固しない劣性の遺伝子aもあり、劣性ホモ接合(aa)となった時に、止血できない病気である血友病を発症する。

血友病

ヒトの赤緑色覚異常

X染色体上に赤緑を識別できる遺伝子Aが存在し、識別できない劣性遺伝子aも存在する。劣性ホモ接合(aa)となった時に赤緑色覚異常を発症する。下の動画は色盲テスト。

ショウジョウバエの目の色

ショウジョウバエの目の遺伝子はX染色体上に存在し、赤色が優性、白色が劣勢である。

ショウジョウバエ

伴性遺伝

伴性遺伝

性染色体のどちからにのみ遺伝子が存在する場合、性の区別と関連を持って遺伝が起こる。そのような遺伝を伴性遺伝と呼ぶ。普通、遺伝子型は性染色体の右上に記載する。

伴性遺伝

性染色体

ヒトの場合ならば23番目の染色体には、X染色体かY染色体の2種類がある。XXならば女性になり、XYならば男性になる。このように性決定に関係する染色体を性染色体と呼ぶ。

性染色体

様々な伴性遺伝

血友病

X染色体上には血液凝固因子遺伝子Aが存在する。また、血液凝固しない劣性の遺伝子aもあり、劣性ホモ接合(aa)となった時に、止血できない病気である血友病を発症する。

血友病

ヒトの赤緑色覚異常

X染色体上に赤緑を識別できる遺伝子Aが存在し、識別できない劣性遺伝子aも存在する。劣性ホモ接合(aa)となった時に赤緑色覚異常を発症する。下の動画は色盲テスト。

ショウジョウバエの目の色 

ショウジョウバエの目の遺伝子はX染色体上に存在し、赤色が優性、白色が劣勢である。 

ショウジョウバエ

様々な様式の遺伝

メンデルの法則に当てはまらない遺伝

遺伝には様々な種類があり、メンデルの法則に当てはまる場合の方が少ない。それらの種類として、不完全優性、複対立遺伝子、致死遺伝子などがある。

http://next.spotlight-media.jp/

不完全優性

対立形質の遺伝子の優劣が完全でない遺伝。優性と劣性の中間雑種が生まれる。アサガオは赤色RRと白色rrを交配させると桃色Rrが生まれる。他にキンギョソウの花の色(下画像)などがある。

複対立遺伝子

対立形質の遺伝子が複数ある場合のこと。ヒトの血液型を決定するのはABOの複対立遺伝子である。

致死遺伝子

ホモ接合体になった時に個体に死をもたらす遺伝子。ヒトの鎌状赤血球の遺伝子は、ヘテロ(鎌状赤血球と通常赤血球)の組み合わせでは、貧血で済むが、ホモ(血球すべてが鎌状赤血球)の場合には重度の貧血で死に至る。他にはハツカネズミの毛の色と関連した致死遺伝子がある。

下のネズミでは、Yが黄色の遺伝子、yが灰色の遺伝子であり、Yが優性である。一方で、Yはホモになると死亡する致死遺伝子でもある。

染色体地図

染色体地図

距離が遠い遺伝子ほど組換え価が高く、距離が近い遺伝子ほど組み換え価が低いという性質を利用して遺伝子の位置を調べた。モーガン「組換え価は遺伝子の距離の比例する」という考えが前提となっている。下図では染色体のどの位置にどの遺伝子があるかを示してある。遺伝子の名前は発見者が適当につける。

三点交雑

調べ方は次の通りである。

  1. 3つの形質の遺伝子(A、B、C)に着目する。A、B、Cは同一染色体上にある遺伝子である。
  2. 純系の個体(ABC/ABC)に劣性ホモの個体(abc/abc)を交配させ、ABC/abcの個体を作成する。
  3. さらに劣性ホモの個体を掛け合わせる。
  4. すると、様々な遺伝子型の個体が出現する。AとB、AとC、BとCの組換え価をそれぞれ求め、地図上に表すと染色体地図が完成する。

例題

例題
http://topicmaps.u-gakugei.ac.jp/

例題として上の図で考えてみよう。ある個体のヘテロ(AaBbCc※並び方は不明)に劣性ホモ(abc/abc)を掛け合わせた結果が図である。

Pの遺伝子型を探る

一番個体数が多いのは、[ABC]と[abc]である。一番個体数が多いのが組換えが起こっていない配偶子である。遺伝子型の半分は劣性ホモのabcが入るので、[ABC]はABC/abcと考えることができる。よって劣性ホモと交雑した個体はABC/abcである。ただしA、B、Cの並び方はわからない(ACBかもしれないし、CABかもしれない)。

AとBの組換え価を求める

組換え価は一組ずつ求めていくこと。AB、abが組換えが起こっていない配偶子である。それ以外(Ab、aB)は組換えが起こっている。

  • Abの個体数:11
  • aBの個体数:9

よって、組換え価は(11+9)÷(全体の配偶子数852)×100=2.3%

BとCの組換え価を求める。

BC、bcが組換えが起こっていない配偶子である。それ以外(Bc、bC)は組換えが起こっている。

  • Bcの個体数:38
  • bCの個体数:46

よって組換え価は(38+46)÷(全体の配偶子数852)=10%

AとCの組換え価を求める

AC、acが組換えかが起こっていない配偶子、それ以外(Ac、aC)は組換えが起こっている。

  • Acの個体数:38+11=49
  • aCの個体数:46+9=55

よって組換え価は(49+55)÷(全体の配偶子数852)=12%

染色体地図を描く

上の問題の解答欄は間違っていることが判明した。AとBが一番離れており、CはAとBの中間にある。染色体地図は下のようになる。

三点交雑

おすすめ練習問題本

遺伝問題を完璧にしたい方は次の本をお勧めします。他のDoシリーズ同様に非常に丁寧な解説と、重要点に絞った問題が用意されています。

不完全連鎖

乗換え

相同染色体が対合した際に、染色体の一部が交換されることがある。この現象を乗換えと呼ぶ。

組換え

遺伝子が連鎖していた場合、乗換が起こることによって遺伝子の組み合わせが変わることがある。この現象を組換えと呼ぶ。また、組換えが起こった連鎖を不完全連鎖と呼ぶ。一方、組換えが起こらない連鎖を完全連鎖と呼ぶ。

組換え
ABC/abcが作る配偶子は本来、ABC×2とabc×2であるが、この図では乗換が起こり、ABC、ABc、abC、abcとなっている。https://www.boundless.com/biology/

組換え価

どれくらいの割合で組換えが起こったのかを示す%値である。組換えによって生じた配偶÷全体の配偶子数×100で求めることができる。

上図AB/abが作った配偶子がは組換えが起こって4つ(AB、Ab、aB、ab)であった。その割合が1:1:1:1だった場合を考えてみよう。配偶子の内2つに組換えが起こっている。よって、2÷4×100=50%となる。本来は、組換え価が50%だと遺伝子は独立していると言える。連鎖して組換え価50%というのは、あくまで例である。

遺伝子の連鎖

独立

2つの形質に関する遺伝子(AとBなど)がそれぞれ別の染色体上にある場合を独立と呼ぶ。メンデルの法則は独立の状態でのみ通用する。下図は遺伝子型AaBbの個体で連鎖していない場合。

独立

連鎖

2つの形質に関する遺伝子が同一染色体上にある場合を連鎖と呼ぶ。連鎖している遺伝子のグループを連鎖群と呼び、遺伝子型は連鎖群でまとめて書く。例えば、AaBbの個体(下図)で、AとB、aとbが連鎖している場合はAB/ab又はab/ABと書く。

連鎖

連鎖している遺伝子の交配

個体AB/ABのと個体ab/abを交配する。AとB、aとbは連鎖している。AB/ABの配偶子はABのみ、ab/abの配偶子はabのみとなる。AとB、aとbはまとまって動くのがポイントである。結果、F1はAB/abとなる。F1の配偶子はABとabとなる。

F2(F1同士の自家受粉)の組み合わせは、AB/AB、AB/ab、ab/AB、ab/abとなる。表現型は[AB]:[ab]=3:1となる。

メンデルの法則

メンデルの法則

かつて染色体などのことが良くわかっていなかった時代に、遺伝の仕組みを解明した法則。優性の法則、分離の法則、独立の法則がある。分離の法則と独立の法則については、減数分裂の事を言葉を変えて説明しただけである。

メンデル
メンデルの死後に研究が評価された。http://en.wikipedia.org/wiki/Particulate_inheritance

優性の法則

対立形質を持つ純系を掛け合わせると、F1には優性の形質だけが現れる。

  • 例:AA×aaのF1はAaであり、表現型は[A]のみ。
優性

分離の法則

配偶子が形成されるとき、対をなした遺伝子(相同染色体)はそれぞれ別の配偶子に入る。

  • 例:Aaの配偶子は、Aとaである。
一遺伝子雑種
Pp(真ん中)の配偶子はPとpになる。http://www.zo.utexas.edu/faculty/sjasper/bio301L/genetics.html

独立の法則

2対以上の対立形質があるとき、各配偶子の遺伝子の組み合わせはランダムであり、独立している。

  • 例:AaBbの配偶子はAB、Ab、aB、abが同じ割合で生じる(AB:Ab:aB:ab=1:1:1:1)

二遺伝子雑種

二遺伝子雑種

二つの形質に着目した純系を掛け合わせたものが二遺伝子雑種である。エンドウマメの色と形に着目しよう。黄色の遺伝子をY、緑の遺伝子をyとし、Yはyに対して優性であるとする。丸い形の遺伝子をR、しわしわの形の遺伝子のrとし、Rはrに対して優性であるとする。YYRRyyrrの個体を掛け合わせてみよう。

Pの配偶子

YYRRの配偶子はYRである。YとYが相同染色体、RとRが相同染色体なので、減数分裂すると相同染色体が分離して配偶子に入る。その結果、YRの組み合わせだけとなる。yyrrの配偶子はyrとなる。

F1の遺伝子型と配偶子

YRとyrを掛け合わせるとYyRrとなる。YyRrの配偶子の組み合わせ方はYR、Yr、yR、yrとなる。

F2遺伝子型と表現型

遺伝子型は(YR、Yr、yR、yr) × (YR、Yr、yR、yr)の組み合わせは、4種類×4種類=16種類の組み合わせとなる。その表現型の割合は、[YR]:[Yr]:[yR]:[yr]=9:3:3:1となる。下の図の表を実際に数えてみるとそうなっている。異なる2つの純系の遺伝子を持つ個体同士を掛け合わせると(例:AAbb×aaBBなど)、表現型の割合は9:3:3:1になる。この数字は非常に重要である。

F2
[YR]:[Yr]:[yR]:[yr]=9:3:3:1http://en.wikipedia.org/wiki/Heredity

一遺伝子雑種

一遺伝子雑種

ひとつの形質に着目した純系を掛け合わせた雑種。ある花の色の形質について、青色にする遺伝子をP(ラージピー)、白色にする遺伝子をp(スモールピー)とする。このアルファベットは適当であり、AでもBでもなんでも良い。Pはpに対して優性である。PPppを掛け合わせ、F2まで得ると次のようになる。

親(P)の配偶子

配偶子は相同染色体が分離することによって作られる。

相同染色体
花の色の遺伝子を持つ相同染色体。上が青の遺伝子P、下が白の遺伝子pとする。これらが分離して配偶子となる。http://www.zo.utexas.edu/faculty/sjasper/bio301L/genetics.html

PPの個体が作る配偶子はPとP、つまりPだけである。ppの個体が作る配偶子はpとp、つまりpだけである。

F1の遺伝子型

PPの配偶子Pと、ppの配偶子pを掛け合わせると、組み合わせはPpだけである。

F1の配偶子

Ppが作る配偶子はPpである。

F2の遺伝子型

F2はF1を自家受精することによって得る。Pとp×Pとpの組み合わせは、PP、Pp、Pp、ppがある。

F2の表現型

Pを持っている個体は青になるので、表現型の割合は[青]:[白]=3:1となる。異なる純系同士を掛け合わせると、必ず表現型は3:1になることがポイント。

遺伝の基礎用語

次の用語の意味がわからなければ、遺伝を理解することはできない。直感で覚えること。

形質:生物が持っている形・性質のこと

目
例:目の色

対立形質:1つの形質についての複数の性質

目2目3
例:目の色:青、黒などの対立形質がある。

交配:2個体の配偶子を受精させること

受精
受精卵は交配してできるものhttp://www.jeol.co.jp/download.html

交雑:遺伝子の異なるものの交配を行うこと 

自家受精:植物などが1個体内で受精を行うこと

おしべ
自分のおしべの花粉をめしべに付着させるhttp://perseus.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23

自由交雑:ランダムな交配

雑種:交配させて生まれてきたもの

一遺伝子雑種:1つの対立形質の純系同士を掛け合わせた雑種

例:丸のエンドウマメの純系としわしわのエンドウマメの純系を掛け合わせたもの

二遺伝子雑種:2つの対立形質の純系同士を掛け合わせた雑種

例:丸と緑のエンドウマメの純系としわしわと黄色のエンドウマメの純系を掛け合わせたもの。

雑種第一代(F1):親(1代目、Pと呼ぶ)から生じた子(2代目)

単純に子どものこと。

PとF1
PとF1http://www.chris-glenn.com/

雑種第二代(F2):子(2代目)から生じた孫(3代目)

PとF2
PとF2http://irorio.jp/asteroid-b-612/20130702/67058/

遺伝子記号:遺伝子を記号で表したもの

A、B、C…何でも良い。優性を大文字、劣性を小文字で書く。例:エンドウマメを丸にする遺伝子→B、しわの遺伝子→b

遺伝子型:個体が持つ遺伝子の構成

相同染色体があるので、1つの形質につき2つの遺伝子を持つ。例:丸エンドウマメの純系BB

表現型:表面に現れる形質

遺伝子型がBB、Bbだろうと、表面に現れるのはBなので[B]と書く。

目3
どんな遺伝子を持っているのかわからないが、目の色の表現型は[青]

ホモ接合体:同じ遺伝子が対になっているもの

例:AA、BB、AABB、aabb、aaBBなど。

ヘテロ接合体:異なる遺伝子が対になっているもの

例:Aa、Bb、AABb、AaBB、AaBbなど。

純系:遺伝子すべてがホモ接合体

例:AA、BB、AABB、aabb、aaBBなど。

優性:表現型として出てくる遺伝子。大文字で書く。

例:A、B…

劣性:優勢の遺伝子があった場合、表現型として出てこない遺伝子。小文字で書く

例:a、b…