染色体地図とは?
距離が遠い遺伝子ほど組換え価が高く、距離が近い遺伝子ほど組み換え価が低いという性質を利用して遺伝子の位置を調べた。モーガンの「組換え価は遺伝子の距離の比例する」という考えが前提となっている。下図では染色体のどの位置にどの遺伝子があるかを示してある。遺伝子の名前は発見者が適当につける。
三点交雑とは?
染色体地図は三点交雑によって求められる。調べ方は次の通りである。
- 3つの形質の遺伝子(A、B、C)に着目する。A、B、Cは同一染色体上にある遺伝子である。
- 純系の個体(ABC/ABC)に劣性ホモの個体(abc/abc)を交配させ、ABC/abcの個体を作成する。
- さらに劣性ホモの個体を掛け合わせる。
- すると、様々な遺伝子型の個体が出現する。AとB、AとC、BとCの組換え価をそれぞれ求め、地図上に表すと染色体地図が完成する。
例題:染色体地図を描いてみよう
http://topicmaps.u-gakugei.ac.jp/
例題として上の図で考えてみよう。ある個体のヘテロ(AaBbCc※並び方は不明)に劣性ホモ(abc/abc)を掛け合わせた結果が図である。
Pの遺伝子型を探る
一番個体数が多いのは、[ABC]と[abc]である。一番個体数が多いのが組換えが起こっていない配偶子である。遺伝子型の半分は劣性ホモのabcが入るので、[ABC]はABC/abcと考えることができる。よって劣性ホモと交雑した個体はABC/abcである。ただしA、B、Cの並び方はわからない(ACBかもしれないし、CABかもしれない)。
AとBの組換え価を求める
組換え価は一組ずつ求めていくことが大切である。AB、abが組換えが起こっていない配偶子である。それ以外(Ab、aB)は組換えが起こっている。
- Abの個体数:11
- aBの個体数:9
よって、AとBの組み換え価は次のようになる。
BとCの組換え価を求める。
BC、bcが組換えが起こっていない配偶子である。それ以外(Bc、bC)は組換えが起こっている。
- Bcの個体数:38
- bCの個体数:46
よってBとCの組換え価は次のようになる。
AとCの組換え価を求める
AC、acが組換えかが起こっていない配偶子、それ以外(Ac、aC)は組換えが起こっている。
- Acの個体数:38+11=49
- aCの個体数:46+9=55
よってAとCの組換え価は次のようになる。
染色体地図を描く
AとCが一番離れており、BはAとCの中間にある。染色体地図は下のようになり,(ア)は2%,(イ)は10%となる。
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このサイトにはいつもお世話になってます。
管理人さんありがとうございます!
AB間の組換え価は23%ではなく2.3%ではないでしょうか。よって地図も
A—2%—B—10%—C
———12%———
ご確認よろしくお願いします。
>あさん
大変ありがとうございます;w;ご指摘の通りです。訂正いたしました。
今後ともどうぞよろしくお願いします・w・
上記のような計算を絡めた例題は非常にありがたいです。
>kg-fuさん
コメントいただき大変ありがとうございます。
まだまだ改善して行きたく思います!
これからもどうぞよろしくお願いします・w・
[…] 染色体地図 […]
コメント失礼致します!
染色体地図の計算の絡んだ問題を調べていたらこのサイトに辿り着きました。
恥ずかしながらAbやaBの個体数の求め方がわかりません。よろしければご返答いただけると嬉しいです。よろしくお願いします( .. )
コメントありがとうございます。
検定交雑というものをご存知でしょうか。
例えば、AaBbにaabbを掛け合わせると、[AB]:[aB]:[Ab]:[ab]=1:1:1:1で生じます。これはaabbが作る配偶子はabのみなので、AaBbの遺伝子が全て表現型として表に出てくるためです。
例題は、ABC/abcとabc/abcの組み合わせです。これも同様に、ABC/abcが作る配偶子の遺伝子が表現型として全て現れます。よって、Abの数を知りたければ[Ab]の個体数を見れば良いです。この際、あくまでAbの数を知りたいので、[AbC]でも[Abc]でもOKです。
管理人様
このサイトはいつもお世話になっております。管理人さん、丁寧な解説有難うございます。
以下の本文についての確認です。
「染色体地図を描く
上の問題の解答欄は間違っていることが判明した。AとBが一番離れており、CはAとBの中間にある。染色体地図は下のようになる。」
のところなのですが,あ さんのご指摘のところは修正が入っていますが、この解説も変更する必要があるのではないかと思います。
「間違っている」を残すのであれば,「AB間 2%,BC間 10%,AC間 12%という関係性より,AB:BC=1:5の長さの比になるように記されていない。」という説明になります。
「正しいことが判明」とするならば,「AとCが一番離れており、BはAとCの中間にある。染色体地図は下のようになり,(ア)は2%,(イ)は10%となる。」という説明になります。
いかがでしょうか?ご確認宜しくお願いします。
コメントいただき大変ありがとうございます。
ご指摘の通り、修正箇所を訂正したきり、他の部分との対応を忘れておりました。
文章を修正させていただきました。丁寧な説明をありがとうございます。
今後とも何卒宜しくお願い致します。
A-B間の組換え価を求める計算式は
『(11+9)÷(全体の配偶子数852)×100=2.3%』とありますが
B-C間およびA-C間の式は
『(38+46)÷(全体の配偶子数852)=10%』
『(49+55)÷(全体の配偶子数852)=12%』となっており、それぞれ『×100』が抜けております。
よろしくご確認ください。
コメントありがとうございました!
当方のミスでした。修正いたしました。大変助かりました。ありがとうございます。