HR図とは
絶対等級を縦軸、スペクトル型を横軸にとった分布図をHR図(ヘルツシュプルング・ラッセル図)と呼ぶ。同じ絶対等級で表面温度が低い星は、表面積が大きいと考えられる。つまり、図の右上の星ほど半径が大きいと言える。
恒星は進化する
恒星は内部で水素の核融合反応が起こる主系列星と呼ばれる時期を過ごす。その後、核融合によってHがHeに変わり、さらにHeがCやOに変わる反応が起こり、膨張を始める。水素は星の中心ではなく周辺部分に移る。この時期の星を赤色巨星と呼ぶ。さらに星が進化すると、水素でできた外層部は惑星状星雲となって宇宙空間に放出され、中心核が残る。これを白色矮星と呼ぶ。
Tタウリ型星
主系列星になる直前の星はTタウリ型星と呼ぶ。重力による収縮によってエネルギーが放出されているため、光って見える。さらに収縮が進み、中心温度が107Kになると中心部で核融合が始まり、主系列星となる。
恒星の進化まとめ
まとめると恒星の一生は次の図のようになる。
太陽よりも8倍以上の質量を持つ星は、赤色超巨星となり、超新星爆発を起こし、ブラックホールか中性子星を形成する(上段)。太陽よりも8倍以下の質量を持つ星は、赤色巨星となり、その後中心核だけが残って白色矮星となる(中段)。
太陽の進化
太陽は現在は主系列星である。太陽は今後、赤色巨星、白色矮星となっていくと考えられている。ただし本格的な膨張が始まるのは100億年後からである。
つまり、太陽が今後辿っていくであろう進化はHR図でいうと次のような経路になる。