酸成長説=酸性にすることによって酵素が働く仕組み
植物は個々の細胞を成長させることによて、個体を成長させることができる。植物細胞は固い細胞壁を持っているが、細胞が成長する時には細胞壁が柔らかくなることが知られている。細胞壁の軟化にはオーキシンが関わっている。
オーキシンが分泌されると、細胞内でH+放出(酸性化)とセルロース繊維の繋がりを弱める酵素の合成が促進され、細胞壁へと送られる。この酵素の最適pHは4.5(酸性)であるため、細胞壁を酸性化することによって酵素が働き、セルロース同士の繋がりを断ち切る。
その結果、細胞壁が柔らかくなって、水の吸収によって体積を膨張できるようになる。このような考え方を酸成長説と呼ぶ。