ちょっとディープな生物の世界

グループエンカウンターを通しての6つの過程

6つの過程とは

構成的グループエンカウンターにおいては次の6つの体験をする。

  1. 自分覚知
  2. 自己開示
  3. 自己主張
  4. 他者受容
  5. 信頼感
  6. 役割遂行

ひとつひとつ見ていこう。

1. 自己覚知

自己覚知とは自分自身を知ることである。しかし、この「知る」とは単純なことではない。自分の行動の意味や原因を分析する(自己洞察)するのではなく、自分の「今ここで」感じている感情を体感するという意味で自己覚知との言葉は用いられる。

「今、とても楽しい」というのが自己覚知である。その感情の中に自分自身がある。「私は今とても楽しんでいる状態にある」というのが自己洞察である。自己洞察は自己覚知とは違い、「楽しい」という感情がどこか他人事である。感情がない。ありのままの感情を確かに感じ、それを知ることが大切である。

2, 3. 自己開示 自己主張

自分の感情を感じ(自己覚知)、それを表現するのが自己開示である。「私はとても楽しい」との言葉は自己開示である。また、他者に対して何らかの主張をするのが自己主張である。「私はあなたに一緒に踊って欲しい」との言葉は自己主張である。自己開示・自己主張ができて初めてホンネの自分を生きていると言うことができよう。

4. 他者受容

他者の自己開示や自己主張を受け入れることが他者受容である。他者受容がなければ、他者は自己開示をすることは決してできない。グループ全体に傾聴する雰囲気が必要である。

5. 信頼感

グループに対しての自己開示・自己主張を体験するにあたって、育まれていく感覚は信頼感である。人から持続的なやさしい受容を受けることによって、信頼の思いが育てられていく。

6. 役割遂行

役割遂行とは、エンカウンターで気付いたホンネの自分を、実際生活の役割の中で表現していくことである。人間は実際生活においては、役割に縛られておりそれは避けられない。しかし、その中でホンネの自分を遂行することが大切なのである。エンカウンターグループにおいても、集団の中での役割を演ずる機会が多くあり、その中で実験的に自分の在り方を模索することができる。

まとめ

エンカウンターグループの最も大切なことは、自身の感情を知ること(自己覚知)である。自己覚知とは精神分析でいう「感情を伴った洞察」や、ジェンドリンの「体験過程」と同じものである。この自己覚知の体験を原点として、他者に拡がっていき、集団の中で自分を生きることを経験する。

「今、ここ」での体験が、その人がありのままの姿で生きていくための基点となる。そこがぶれてしまうと、ホンネとホンネの交流ではなく、知的な議論に陥ったり、グループが停滞したりするのである。

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