テロメアとは
真核生物のDNAの末端にはテロメアと呼ばれる特定の繰り返し配列(ヒトの場合はGGGGTTA)がある。テロメアは細胞分裂を重ねれば重ねるほど短くなっていくことが知られている。
テロメア最末端にプライマーが結合することはなく、どうしてもあまりが出てしまう。また、たとえ最末端に結合したとしてもプライマー分の塩基対を合成することができない。
テロメアの役割
テロメアには遺伝情報が含まれておらず、意味のない塩基配列である。しかし、テロメアがあるおかげで細胞分裂の度に遺伝子の塩基配列が短くなることはない。
また、テロメアは細胞分裂の度に短くなり、ある程度まで短くなると細胞が分裂できなくなってしまう。そのため、テロメアは細胞の寿命に関わるとされている。
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一方、癌細胞などは細胞分裂を永遠に繰り返すことができる。例えば、HELA細胞は1951年に子宮頸癌で亡くなった30代黒人女性の腫瘍病変から分離された細胞であり、本人が死亡した後も培養され分裂を続けている。
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テロメラーゼ
テロメラーゼはテロメアに反復配列を追加することができる。
テロメラーゼを利用した療法が、ヒトの老化を回避して寿命を延長させることにも使われると考える医師もいるが、癌化の可能性が否めないため評価が定まっていない。しかし、実際に不老不死のような振る舞いをするクラゲも存在する。
一般にクラゲの仲間は、成熟し子孫を残した後、徐々に衰弱し海中に溶けて消滅します。しかし、ベニクラゲは衰弱した後、クラゲの成長段階である”ポリプ”と呼ばれる状態に”若返り”し、”ポリプ”から再びベニクラゲが生まれてくることが知られています。このことから、ベニクラゲは「不老不死のクラゲ」と呼ばれています。
ベニクラゲの場合は、他の生物と同じように、基本的にはカウントダウンされて行くのですが、寿命を迎えるとテロメラーゼを分泌し、一部の細胞のテロメアがリセットされてテロメア部分のみが再生されたクローンが出来るというカラクリです。
下画像の③のルートが不老不死ルートである。