原索動物とは
発生の過程で脊索が形成される動物であり、ホヤのなかまの尾索動物、ナメクジウオのなかまの頭索動物が含まれる。ホヤは幼生時に脊索が見られるが、成体になると退化する。神経管は幼生・成体ともに有している。
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またナメクジウオは脊索が退化せずに、脊索・神経管ともに終生持ち続ける。
脊索とは
脊索(中胚葉由来)は外胚葉に働きかけて神経管(外胚葉由来)を誘導する働きを持つ。下画像の「Notochord」が脊索である。
脊椎動物においては、神経管が脊椎へと分化していく過程において、脊索は退化する。ヤツメウナギなどの原始的な魚類(無顎類)は、脊椎が形成されても脊索が残っている。
原索動物の特徴
原索動物は単一の背側神経管を持っている。これは、体の背側にある中空の神経索のことである。
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咽頭部に鰓裂を有する。鰓裂とは、発生途上で、咽頭部の両側に生じてくる数対の裂け目のことを指す。魚類と両生類では成体まで残って鰓孔となっていくが、肺呼吸する動物では再び閉じてしまう。
ホヤの生態
昔、ホヤは軟体動物として分類されていたが、1866年に脊椎動物の脊索と相同の構造がホヤの幼生に存在することが確認され、原索動物に分類された。ホヤは幼生時にはオタマジャクシのような形態を持ち、泳ぐことができる。
幼生はやがて岩などに固着して尾部を失い、成体の形に変化する。ホヤの成体は活発に運動する幼生とは異なって、殆ど動き回らない固着生活を送る。海水中のプランクトンや有機物を濾して食べるろ過摂食を行なう。