浸透圧とは?
半透膜を境に濃度の異なるスクロース溶液を置くと、濃度の低い方(低張液)から濃い方(高張液)へ水が移動する。この現象を浸透といい、浸透を受ける側の溶液にかかる圧力を浸透圧という。 下画像では蒸留水(管右)とグルコース溶液(管左)を半透膜で遮ると、溶媒の水分子がグルコース溶液側へ浸透する様子が描かれている。
浸透圧はなぜ生じるのか?(なぜ水は移動する?)
浸透が起こる仕組みは難しそうに感じるが、実は極めて簡単な原理である。蒸留水と蒸留水を半透膜で遮ったとき、水分子は自由に行き来している。左右から移動している水分子の量は等しい。 例えば左右から10個水分子が移動しているとしよう。
水10個→ | ←水10個
移動の結果は次のようになる。左右の水分子の量に変化はない。
水10個 | 水10個
ここに、半透膜を通過できない物質(グルコース)などを右側(下図参照)に入れた場合、水分子がグルコースに引き寄せられたりなどして、自由に移動しずらくなる。 また、グルコースは膜に衝突しても半透膜を通ることができない。結果、自由に動き回れる左側の粒子が右側に移動する量が多くなる。この水が移動する圧力が浸透圧となる。