キサントパンスズメガとは?
キサントパンスズメガとはスズメガの仲間で、中央アフリカやマダガスカルに生息しています。35cmもの口吻を持ちます。
ダーウィンは1862年に出版された「昆虫によるランの受精についての論考」で驚異的な距(きょ)の長さを持つアングレカム・セスキペダレに注目しています。アングレカム・セスキペダレは35cmの距を持ち、その先に蜜があります(距とは植物において蜜腺が存在する筒状の構造です)。ダーウィンは、この蜜に届くだけの長い口を持った虫がいるはずだと推測しました。
ダーウィンの予測通り1903年にキサントパンスズメガが発見されました。実際は1856年にもう見つかっていませんでしたが、その時はあまり注目されなかったようですね。
キサントパンスズメガとアングレカム・セスキペダレは共進化の例として有名です。キサントパンスズメガのみが蜜を吸えることによって、スズメガは安定的に蜜にありつけ、アングレカム・セスキペダレも安定的に蛾に花粉を運んでもらうことができます。お互いの利益が重なりあって、距の口器が長くなる進化(共進化)が促進されたと考えられています。