溶存酸素とは?
有機物などが水中にあると、酸化され、水中の溶存酸素(水溶液中に溶けているO2量)が使用されます。そのため、溶存酸素を測定すると、水質の汚染具合を調べることができます。
O2の酸化力は強くないため、水溶液中のO2量を調べるためには、強力な還元剤を使用します。Mn(OH)2(白色)は塩基性水溶液中は水中のO2と反応し、褐色の沈殿を生じます。
2Mn(OH)2 + O2 → 2MnO(OH)2↓
MnO(OH)2は塩基性水溶液中では安定していますが、酸性下では強い酸化力を持ちます。KIを加えると次の反応を起こします。
MnO(OH)2 + 2I– + 4H+ → Mn2+ + I2 + 3H2O
I2が遊離するので、デンプンを指示薬として、Na2S2O3(還元剤)で滴定し、全てのI2がI–になった点を調べることによって、溶存酸素を計算することができます。これをウィンクラー法と呼びます。
2Na2S2O3 + I2 → 2NaI + Na2S4O6
CODとBODとは?
BODとは、生物化学的酸素要求量と呼び、好気性微生物によって水溶液中の有機物を分解する際に消費される酸素量を示します。
一方、CODは化学的酸素要求量と呼び、強力な酸化剤で酸化した時に使用される酸化剤の使用料を示します。酸化剤には普通、KMnO4か、K2CrO7を用います。
MnO4 – + 5e– + 8H+ → Mn2+ 4H2O
Cr2O7 2- + 14H+ + 6e– → 2Cr3+ + 7H2O
CODとBODの違い
CODには、酸化される物質として有機物の他に無機物(NO2–、Fe2+、S2-など)を含みます。そのため、CODの方がBODよりも大きな値となることが多いです。しかし、CODは水中の有機物の量を示す目安と考えても差支えありません。