ウラジミール・デミコフの双頭のイヌとは?
19541年、ソ連の外科医ウラジミール・デミコフ(Vladimir Demikhov)は、双頭のイヌを人工的に作り出しました。デミコフは子イヌの頭部と肩と前脚をジャーマンシェパードの首に移植しました。このように誕生したイヌは全部で20匹いましたが、どれも感染症により長生きすることはできませんでした(最長で29日)。
双頭のイヌはどのように生きていたの?
移植された犬は循環器は共有していましたが、全く異なる意思を持っていました。片方が寝ている最中に起きていたりなど、生活リズムも異なりました。移植された子犬は栄養分は全て、成犬から得ていましたが、自分でも飲み食いを行いました。しかし、消化器にはつながっていないため、全て食道からこぼれ落ちました。
デミコフの実験の意味とは?
デミコフの究極の目標は、ヒトの心肺移植を実現することでした。双頭のイヌの作成は、移植実験の1つであったといえます。
また、デミコフは臓器バンクも視野に入れていました。脳死状態の患者に、余分に四肢を移植して保存しておき、必要となったら切り取り移植する、といった構想のものでした。しかし、実現することはありませんでした。