ちょっとディープな生物の世界

なぜ尿素回路(オルニチン回路)の一部はミトコンドリアにあるの?

ミトコンドリアでアンモニアが発生するから

photo by education.med

尿素回路は細胞内で生じたアンモニアを無毒な尿素に作り替える反応です。この回路の一部はミトコンドリアで行われ、それ以外は細胞質基質で行われます。

アンモニアはアミノ酸からアミノ基を取る際に生じます(脱アミノ反応)。この脱アミノ反応が起こるのがミトコンドリアのマトリックス内です。アミノ基が取られたアミノ酸(有機酸)はそのままクエン酸回路に回されるため、ミトコンドリアで脱アミノ反応が起こる方が都合が良いです。

一方で、アンモニアは有毒ですからすぐに他の物質と結合させてアミノ基にする必要があります。そのため、ミトコンドリア内ではオルニチンにアンモニアが結合しシトルリンが合成されます。シトルリンはミトコンドリアの外に出てさらに反応が進み、最終的に尿素が合成されます。

ちゃんと合理的な理由があるんだね

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