イチジクとイチジクコバチの相利共生とは？

イチジクとは？

イチジクは漢字で無花果と書くが、花が「無い」わけではなく、花のう（雌花や雄花をすべて包んだ袋状の構造物）に包まれている。

そのため、風などによる受粉は行なわれず、雌花が咲く時にわずかに開く鱗片の隙間から花のうに入り込むイチジクコバチ等の虫によって受粉が行なわれる。

イチジクの花のうの中には、花柱の長い雌花と、花柱の短い雌花が存在する。イチジクコバチの雌は花柱の長い雌花には、産卵管が届かないために産卵しないが、花柱の短い雌花には産卵することができる。

つまり、一部の雌花はイチジクコバチの幼虫のエサとして失われるが、一部は種子を形成することができる。

イチジクコバチの雄は翅を持たず飛ぶことができない。そのため、イチジクコバチの交尾はイチジクの花のうの中で行なわれる。イチジクコバチの雄にとっては、イチジクは住処となりなくてはならない存在である。

一方で、イチジクにとってもイチジクコバチが侵入することで受粉することができる。よって、イチジクとイチジクコバチの関係は相利共生であると言える。