石炭の元になった木生シダ植物
石炭紀には、シダ植物が繁栄を迎え、高さが数十メートルにも及ぶシダ植物が誕生し、森を形成していました。このような、樹木状になるシダ植物を木生シダ植物と呼びます。
このシダ植物の幹は太いですが、肥大成長は行いません。そのため「木」とは言えません。しかし、絶滅した種の中では「木」と言えるシダ植物が存在したと言われています。
代表的な木生シダ:ロボク、リンボク、フウインボク
ロボク
現生のトクサ類に近縁で高さ約80センチメートルぐらいの木でした。現在は絶滅しています。
リンボク
大きな個体では樹高は40m、幹は直径2mに達し、先端部のみ分岐するのが特徴です。原生する樹木「リンボク」とは全く無関係の絶滅種です。石炭の元になった主要植物です。
フウインボク
高さが20 ~ 30mほどあるシダ植物です。石炭の元になっている主要植物で絶滅種です。
現存する木生シダ
現在存在する木生シダは、ヘゴ科とタカワラビ科に多く属しています。それ以外の群にも散発的に見られます。また熱帯域を中心に生息しています。
なぜ多くの木生シダは衰退したの?
シダ植物の生殖では精子が卵まで泳いで到達するため、水を必要をします。そのため、木生シダが形成していた森も水辺の近くだったと考えられています。
一方、種子植物はさらに乾燥に特化した植物で、水がなくとも受精し、種皮に覆われた種子を形成します。種子植物の出現によって大型のシダ植物は衰退し、小型のものだけが残りました。