酵素と補助因子
酵素には反応を進めるために補助因子を必要とするものもある。補酵素、補欠分子族、金属などが補助因子となる。
補酵素
補酵素とは酵素の働きを助ける物質である。熱に強い低分子の有機物で、ニコチン酸やビタミンB1などを成分としている。例えば、脱水素酵素ではNADが水素の受け取り手となっている。つまり、脱水素酵素にとって、NADは補酵素である。
下画像ではNAD+が水素と電子を受け取ってNADHになる反応を示している。
補欠分子族
カタラーゼは補欠分子族のヘムを補助因子としている。補酵素は一時的に酵素と結合してその機能を発揮するが、補欠分子族はタンパク質に固く繋がれている。
金属
炭酸脱水酵素は亜鉛を補助因子としている。下画像では中心の円が亜鉛原子である。
反応の調節
フィードバック調節
酵素反応で生じた生成物が、酵素の反応を阻害・促進する現象をフィードバックと呼ぶ。
アロステリック酵素
活性部位とは異なる部位に、反応生成物が結合する部位(アロステリック部位)を持っている酵素。反応生成物が結合すると、構造が変化して活性が変化する。