配偶子
配偶子には様々な種類があるが、ここでは卵と精子について扱う。
卵の構造
卵は表面にゼリー層があり、その下に卵黄膜がある。卵黄膜は将来、受精膜となる。卵黄膜のすぐ下には細胞膜があり、細胞膜に近い細胞質基質内には表層粒がある。そして、卵核(n)が存在する。下図は精子が侵入している卵細胞である。外側の黄色の膜がゼリー層、紫色の膜が卵膜、紫色の膜のすぐ下には細胞膜がある。
精子の構造
精子はおおまかに頭部と中片部と尾部に分けることができる。頭部にはタンパク質分解酵素を含む先体と、核(n)がある。中片部にはミトコンドリアが詰まっており、中心体もある。尾部は細胞骨格からなる鞭毛がある。
精子の構造。ラベリングの仕方は少々異なっている。http://www.mammo.tv/
配偶子形成
配偶子は減数分裂によって形成される。減数分裂とは1つの細胞(2n)の染色体が半数(n)になる細胞分裂である。第1分裂と第2分裂があり、1つの母細胞から4つの娘細胞ができる。
卵の形成
次の過程を経て卵が形成される。
- 始原生殖細胞(2n)が細胞分裂を繰り返し数が増え、卵原細胞(2n)となる。ここまでは体細胞分裂である。
- 卵原細胞(2n)は成長し、一次卵母細胞(2n)となる。
- 減数分裂の第一分裂が始まり、一次卵母細胞は二次卵母細胞(n)と第一極体(n)に分裂する。
- 二次卵母細胞は第二分裂し、卵(n)と第二極体(n)に分裂する。第一極体と第二極体は小さく、しばらくして消滅する。これは、卵細胞に栄養を集中させるためである。
精子の形成
静止はほぼ卵の形成と同じ経路を辿る。精子の場合、栄養を1つの細胞に集中させる必要がないので、極体は生じない。また、精細胞が変形して精子となる。
- 始原生殖細胞(2n)が細胞分裂を繰り返し、精原細胞(2n)となる。
- 精原細胞(2n)が成長し、一次精母細胞(2n)となる。
- 一次精母細胞(2n)が減数分裂第一分裂し、2つの二次精母細胞(n)ができる。
- 二次精母細胞(n)が第二分裂し、2つの精細胞(n)となる。
- 精細胞(n)が変形し、精子(n)となる。結果的に、一次精母細胞から4つの精子ができる。