受精卵から尾芽胚まで
カエルの発生は次の過程を経る。原腸胚からはウニよりも複雑な過程を辿る。
- 受精卵から4細胞期までは等割を行う。
- 8細胞期からは不等割を行う。
- 胞胚腔はウニとは異なり、動物極側にできる。
- 原腸胚初期には原腸が胞胚腔内に陥入し、原口が形成される。この時、内胚葉、中胚葉、外胚葉が分かれる。
- 原口は最終的に内胚葉によって埋められ、卵黄栓となる。
- 神経胚には、外胚葉から神経板が、中胚葉から脊索・側板が、内胚葉には腸管ができる。
- 神経胚が進むと、側板は体節・腎節・側板に分化する。
- 外胚葉からは神経堤細胞が移動し、末梢神経や神経膠細胞(グリア細胞)が形成される。
- 尾芽胚になると、脳が発達する。また、口と肛門ができる。
動画で見ると次のような感じ。
上記動画の断面を説明した図は以下の通り。
原腸陥入
カエルの発生で最も理解しにくいのは原腸陥入ではないだろうか。ウニでは胞胚腔が残る形で原腸が形成されるが、カエルでは原腸が胞胚腔を埋め尽くす。
下の画像では胞胚腔が原腸によって追いやられているのがわかる。
photo by embryology.med.unsw.edu.au
胚葉の分化
まとめると、外胚葉、中胚葉、内胚葉は次のように文化する。
外胚葉
- 表皮:皮膚、水晶体、角膜、嗅上皮、内耳
- 神経管:脳、脊髄、網膜
中胚葉
- 体節:骨格、骨格筋、皮膚の真皮
- 腎節:腎臓、輸尿管
- 側板:心臓、血管、平滑筋、腸間膜、結合組織
腸間膜は次の写真で見える透明~白い膜のこと。
腹膜(内蔵の周りを包んでいる膜)は下の画像の赤い膜のこと。
内胚葉
- 腸管:胃、腸、肝臓、膵臓、中耳、肺、気管、えら、膀胱
まとめ
だいたい次のようなカテゴリーで覚えると理解しやすい。
- 外胚葉:神経・表皮
- 中胚葉:筋肉・骨・腎臓
- 内肺葉:消化器官・呼吸器官
はじめまして。
一つ気になったのですが、「4.原腸胚初期には原腸が胞胚腔内に貫入し、原口が形成される。この時、内胚葉、中胚葉、外胚葉が分かれる。」とありますが、「陥入」ではないでしょうか?
上記の「貫入」は地学で使う用語だったような気がしたもので。
ご確認お願いします。
ありがとうございました。誤字でした。訂正いたしました。
今後ともよろしくお願いいたします。
3に書いてある動物局側は、動物極ではないでしょうか?
私が間違えていたらすみません!
ご指摘ありがとうございました!訂正しました!