ちょっとディープな生物の世界

伸長成長・様々な生理反応-ブラシノステロイド-

ブラシノステロイド

ブラシノステロイドはステロイドを含む植物ホルモンの総称である。その種類は70種類あり、作用は多岐に渡っている。

ステロイド

ステロイドとは、3つの六員環(下図ABC)と1つの五員環(下図D)がつながった構造(ステロイド核)を持つ物質の総称である。

Steroid_numbering
ステロイドの例https://ja.wikipedia.org/

ブラシノステロイドの働き

伸長成長促進

  1. 茎 :単子葉植物では胚軸子葉鞘を伸長させ、双子葉植物では胚軸節間花柄を伸長させる。
  2. 葉 : 葉の特定の細胞の成長を促進することで葉特有の形態形成を引き起こしている
  3. 根 : 低濃度で根の成長、屈地性を促進するが高濃度では阻害する。

BR2
WTが野生型(左上画像)。それ以外はブラシノステロイドが阻害された個体。
葉特有の形態形成が引き起こされない。http://www.pnas.org/

細胞分裂促進

細胞伸長と同時に細胞分裂も促進する。
 

BR
左3つがブラシノステロイドが欠損している個体。伸長成長できない。

分化促進

葉肉細胞から道管、仮道管への分化を促進する。

エチレン合成促進

エチレン合成遺伝子を活性化させ、エチレン合成を促進する。

発芽促進

 種子の発芽率を上昇させる。光による発芽阻害も解除する。

ストレス耐性付加

病害、塩、温度、金属など様々な生物的および非生物的環境ストレスへの耐性を付加する。

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