生産と消費
生態系は、物質を生産し、消費することによって成り立っている。それらの物質がどのように移行するかを表したのが下の図である。
- S 現存量:もともとある量
- G 成長量:ある時期に増加して成長した量
- C 被食量:上位者に食べられる量
- R 呼吸量:呼吸によって消費される量
- D 死滅分解量・枯死量:組織などが死滅して分解される量
- U 不消化排出量:消化せずに排出される量
生産者
生産者が光合成によって生産した有機物の全ての量を総生産量(G~R)と呼ぶ。その内のいくらかは、生産者自身が呼吸をするために呼吸量(R)として使われ、また、生産者自身が成長するための成長量(G)として使われる。蓄えた栄養分は被食量(C)と呼び、死滅した細胞などの有機物は枯死量(D)と呼ぶ。
- 総生産量:一定期間中に合成された有機物の全体量
- 純生産量:総生産量-呼吸量
- 成長量:純生産量-(被食量+枯死量)
消費者
消費者は、生産者を食べることによって、総生産量の内から被食量分(摂取量)の有機物を得ることができる。被食量の大部分は同化されて同化量(G~U)となる。同化されずに排出されるものは、 不消化排出量(U)と呼ぶ。同化量は、呼吸量(R)、成長量(G)、被食量(蓄えた栄養、C)、死滅分解量(死滅した細胞など、D)として使われる。
- 同化量:摂取量(生産者の被食量)-不消化排出量
- 成長量:同化量-(呼吸量+被食量+死滅量)
高次消費者
高次消費者は消費者を食べ、消費者の被食量(摂取量)が高次消費者に移行する。
分解者
分解者は枯死量、不消化排出量、死滅量などを分解する。分解する有機物の量を分解量と呼ぶ。
- 分解量:生産者の枯死量+消費者の不消化排出量・死滅量
「生産者自身が成長するための成長量(G)として使われる。蓄えた栄養分は被食量(C)と呼び」のところで、一次消費者に食べられた量を被食量と呼ぶのではないですか?また総生産量から呼吸量、被食量、枯死量を引いて残った有機物が成長量として残り、この分、生産者の成長に回されるのではないですか?
お返事遅くなり申し訳ありません。
被食量については、「食べられた量」というよりも、「食べられる可能性がある最大量」と言った方が良いかもしれません。必ずしもすべての植物が食べられるわけではありませんが、食べられる可能性がある量(蓄えられている栄養量)が被食量です。
成長量に関しては、説明してくださっている文章は「成長量:同化量-(呼吸量+被食量+死滅量)」の式と同じだと思いますので、合っていることと思います。
一次消費者の同化量は摂食量(高校では摂食量と習います)から不消化排出量を引いた値になると思うのですが。教科書ではそう教えています。
コメントありがとうございました。図の作成ミスでした。修正いたしました。